牛カンピロバクター症検査徹底し早期発見

  • 鹿
  • めん羊・山羊
  • その他・家きん
  • 蜜蜂
  • その他・家畜

届出
伝染病

牛、水牛

特徴

牛カンピロバクター症牛カンピロバクター症は、カンピロバクター菌の感染による牛と水牛の届出伝染病。雌牛に流産、不妊、受胎率の低下といった繁殖障害が生じる病気で、下痢や人の食中毒を起こす菌とは別の種類の菌で起こる。

本病は、感染個体との自然交配や、菌に汚染された精液、器具を介した人工授精により伝染する。農場で発生すると、初感染の雌牛は不妊や低受胎、妊娠中期での流産を起こし、牛群の受胎率は80~90%に低下する。

種雄牛は感染しても何の症状も示さず長期保菌牛となり、精液中に菌を排出する。雌では繁殖障害以外の特徴的な症状は認められないため、外見から診断することは困難だ。

世界各国で発生が認められ、特に自然交配による牧畜を行っている地域に広くまん延している。日本では人工授精の普及により発生数が急激に減少し、現在では年間数例の散発的な発生が認められるだけだ。


対策

海外ではワクチンが使用されている地域もあるが、日本では使われていない。

本病は交配により拡大するため、予防には採取精液の検査と定期的な種雄牛の細菌学的検査が重要だ。感染の早期発見には、農場での受胎率を把握しておくことも必要だ。

保菌牛が摘発された場合、雌では抗生物質投与と子宮洗浄により治療する。雄では包皮腔(ほうひくう)からの除菌が困難であるため、淘汰(とうた)することが望ましい。

[写真:カンピロバクター菌の顕微鏡写真。らせん状の形態が見られる(1μm=1,000分の1ミリ)]

(動物衛生研究所 岩田剛敏)

参考情報

・家畜の監視伝染病 牛カンピロバクター症


情報公開日:「家畜疾病図鑑」『日本農業新聞』 2012年10月24日、16面に掲載。

© Copyrights 2014 National Institute of Animal Health All Rights Reserved.