ヘンドラウイルス感染症輸入馬検疫、侵入防ぐ

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届出
伝染病

特徴

ヘンドラウイルス感染症ヘンドラウイルス感染症は、重い肺炎や神経症状を示す馬の致死性疾患で、馬モルビリウイルス肺炎として届出伝染病に指定されている。人にも感染する人獣共通感染症で、1994年にオーストラリアで初めて発生し、同国だけでこれまで83頭の馬の感染が確認されている。

これまでに7人が感染、4人が死亡している。オオコウモリがヘンドラウイルスの自然宿主で、感染しても無症状で尿中にウイルスを排せつする。ウイルスはオオコウモリから馬、馬から馬、馬から人へと感染する。

発生はオオコウモリの生息域と馬の飼育域が重複しているオーストラリアの一部地域に限局する。感染馬は40度以上の発熱と重い急性呼吸器症状を示し、回復後に歩様異常などの神経症状を起こす症例もある。

人では呼吸器症状と慢性髄膜脳炎を主徴とする。死亡馬では肺、リンパ節、腎臓などの小血管の内皮細胞の病変と血管炎が観察される。


対策

有効な治療法はない。オーストラリアでは馬用ワクチンの開発が進められている。日本国内の発生はないが、発生国から輸入される馬の検疫で侵入防止が図られている。オオコウモリは日本の一部にも生息、飛来しているがウイルスは証明されていない。感染馬との濃厚接触で感染することから、馬の治療や解剖に際しては個人防護具を装着して感染を予防する。

[写真:ヘンドラウイルスの取り扱いには個人防護具の着用が義務付けられている]

(動物衛生研究所 山田学)

参考情報

・家畜の監視伝染病 馬モルビリウイルス肺炎


情報公開日:「家畜疾病図鑑」『日本農業新聞』 2014年1月22日、14面に掲載。

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