家畜伝染病

アフリカ馬疫(African horse sickness)

牛鹿馬めん羊山羊豚家きんその他家きんみつばちその他家畜
対象家畜:

1.原因

 

 アフリカ馬疫ウイルス(African horse sickness virus、AHSV)は、レオウイルス科オルビウイルス属に分類される2本鎖RNAウイルスで、9種類の血清型の存在が知られ、節足動物により媒介される。

 

 

2.疫学


 本病の発生は、サハラ砂漠以南に限局しているが、節足動物や感染動物の移動などにより、北アフリカ、中近東においても度重なる発生が報告されている。本病の伝播に関与する節足動物はヌカカが挙げられているが、ある種の蚊も有力視されている。

 

 

3.臨床症状


 ウイルスの病原性および感染歴の有無により4病型に分けられる。
 (1)急性型:毒性の高い株の感染または初感染、肺型
 (2)亜急性型:毒性の低い株の感染または馬が感染歴を有する場合、浮腫・心臓型
 (3)混合型:浮腫が観察されるが急性経過をとる
 (4)発熱型:血清型の異なるウイルスの感染歴を有する馬、ロバあるいはシマウマでしばしば認められる
 発熱型以外の3病型では、致死率は高く、発症後2週間以内に死亡する。発熱型は疾病が常在するアフリカで観察される。

 

 

4.病理学的変化


 全身性の著しい浮腫病変、胸腔、腹腔、心嚢内への多量の漿液の貯留、肺水腫

 

 

5.病原学的検査


 感受性細胞や乳のみマウスの脳内接種によるウイルス分離ELISA法やPCR法による抗原ならびに遺伝子検出。

 

 

6.抗体検査


 ELISA法、補体結合反応、中和試験など。

 

 

7.予防・治療


 常在地では弱毒生ワクチンや不活化ワクチン使用が可能である。清浄地域では海外からの侵入の防止と発生した際には早期の摘発・淘汰が重要である。

 

 

8.発生情報


 監視伝染病の発生状況(農林水産省)

 

 

9.参考情報


 獣医感染症カラーアトラス第2版(文永堂)、動物の感染症第3版(近代出版)、馬の感染症第3版(JRA総研)

 OIE: Manual of Diagnostic Tests and Vaccines for Terrestrial Animals

 OIE: Terrestrial Animal Health Code

 OIE: Technical disease cards

感染死亡馬の胸腔(胸水の顕著な貯留)(原図:JRA総研栃木支所)
写真1:感染死亡馬の胸腔(胸水の顕著な貯留)(原図:JRA総研栃木支所)

編集:動物衛生研究部門 疾病対策部病性鑑定グループ、文責:国際重要伝染病研究領域 坂本研一

(平成24年6月29日 更新)

ページの先頭へ↑