家畜伝染病

アフリカ豚コレラ(African swine fever)

牛鹿馬めん羊山羊豚家きんその他家きんみつばちその他家畜
対象家畜:豚、いのしし

1.原因

 

 アフリカ豚コレラウイルス(African swine fever virus、ASFV)は、asfarviridae科に分類される唯一の大型2本鎖DNAウイルスである。豚の単球・マクロファージなどの細胞でよく増殖する。

 

 

2.疫学


 本ウイルスは、本来、サハラ以南のアフリカ大陸においてイボイノシシなどの野猪とダニに不顕性感染していたと考えられる。そこに家畜として豚が導入されたことによって致死率100%に達するような本病の発生が認められるようになった。1950年代後半から、ヨーロッパ、中南米の国々で本病の発生があり、養豚業に多大な被害をもたらした。2007年以降汚染厨芥を通して、グルジアに侵入し、アゼルバイジャン、ロシア、ウクライナなどの近隣国に拡がりを見せ、本病によるロシアの被害総額は2007年から2012年までに約250億円に達している。

 

 

3.臨床症状


 症状は、急性例では臨床症状や病理所見は豚コレラと酷似する。ウイルスの病原性の強さにより、甚急性、急性、亜急性、慢性および不顕性と激しいものからまったく症状の認められないものまで様々である。致死率もこれに伴い0〜100%まで様々である。

 

 

4.病理学的変化


 腎臓の出血や脾臓の腫大や出血、消化管、循環器系の出血病変が認められる場合がある。

 

 

5.病原学的検査


 赤血球吸着反応、蛍光抗体法、PCR法、豚コレラワクチン接種豚への感染試験。

 

 

6.抗体検査


 ELISA法、間接蛍光抗体法、イムノブロッティング法など。

 

 

7.予防・治療


 感染豚や実験感染豚にはこのウイルスに対する中和抗体が産生されないため、本病に対する有効なワクチンはない。スペインやポルトガルなど大規模な殺処分等による防圧で本病を撲滅してきた。有効な治療法は存在しない。

 

 

8.発生情報


 監視伝染病の発生状況(農林水産省)

 

 

9.参考情報


 「アフリカ豚コレラに関する特定家畜伝染病防疫指針」(平成25年6月26日)

 獣医感染症カラーアトラス第2版(文永堂)、動物の感染症第3版(近代出版)

 OIE: Manual of Diagnostic Tests and Vaccines for Terrestrial Animals

 OIE: Terrestrial Animal Health Code

 OIE: Technical disease cards

 アフリカ豚コレラ関連情報


編集:動物衛生研究部門 疾病対策部病性鑑定グループ、文責:国際重要伝染病研究領域 坂本研一

(平成24年6月29日 更新)

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