届出伝染病

伝染性膿疱性皮膚炎(contagious ecthyma)

牛鹿馬めん羊山羊豚家きんその他家きんみつばちその他家畜
対象家畜:鹿、めん羊、山羊

1.原因

 

 ポックスウイルス科(Poxviridae)、コルドポックスウイルス亜科(Chordopoxvirinae)、パラポックスウイルス属(Parapoxvirus)、オルフウイルス。ゲノムは1分子の直鎖状2本鎖DNA。抗原性は、同属の牛丘疹性口炎ウイルスおよび偽牛痘ウイルスと血清学的に交差するが、ウイルスDNAの制限酵素切断や塩基配列の解析により識別が可能である。

 

 

2.疫学


 日本を含め、世界各国で発生。主な伝播様式は接触感染で、皮膚の創傷から直接的に感染する。また、ウイルス汚染飼料等を介した経口感染することもある。自然宿主はめん羊、山羊、ニホンカモシカ等。

 

 

3.臨床症状


 口唇、口腔粘膜あるいは顔面、乳頭や趾間の皮膚等に丘疹や水疱を形成する。これらが膿瘍や潰瘍まで進行することもあるが、痂皮の形成、脱落を経て1、2ヶ月で治癒する事が多い。

 

 

4.病理学的変化


 肉眼病変は上記参照。組織学的には有棘細胞の増生および空胞変成が認められ、感染細胞で細胞質内封入体が観察される。

 

 

5.病原学的検査


 病変部位からウイルスを分離、または電子顕微鏡観察によりウイルス粒子を確認する。PCRによるウイルスDNA検出も可能。

 

 

6.抗体検査


 寒天ゲル内沈降試験による抗体検査。

 

 

7.予防・治療


 一部の国で病変部乳剤を用いた生ワクチンが市販されているが、我が国では使用していない。感染個体の早期摘発・早期隔離および消毒、二次感染の防止が重要である。

 

 

8.発生情報


 監視伝染病の発生状況(農林水産省)

 

 

9.参考情報


 獣医感染症カラーアトラス第2版(文永堂)、動物の感染症第3版(近代出版)


編集:動物衛生研究部門 疾病対策部病性鑑定グループ、文責:ウイルス・疫学研究領 小西美佐子

(平成29年9月21日 更新)

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