コンフリーの毒性について

健康被害をもたらすおそれがあるとして健康食品として利用されていたコンフリー(Symphytum offcinale)の食品としての販売が禁止されました(厚生労働省:2004.6.182004.6.14)。

コンフリーは家畜の飼料としても用いられることがあるので、その毒性について概説します。

コンフリーに含まれる有毒物質はピロリチジン(あるいはピロリジジン、pyrrolizidine)アルカロイドです。

ピロリチジンアルカロイドは、コンフリーなどのムラサキ科ヒレハリソウ属植物のほか、キオン属(Senecio)をはじめとするキク科植物、マメ科植物などに含まれるアルカロイドです。

キク科のフキ(Petasites japonicus)の花茎(フキノトウ)にもピロリチジンアルカロイドが含まれていますので、ゆでてアク抜きをして食べた方がいいでしょう。もっとも、苦くて多量には食べられませんが。

また、イネ科植物に感染するエンドファイトが産生する昆虫毒ロリンアルカロイドもピロリチジンアルカロイドの一種です。

ピロリチジン(ピロリジジン)アルカロイドの毒性については、厚生労働省サイトに張り付いているPDFファイルに、食品安全委員会の公式見解が記載されていますので、こちらをご覧下さい。

さて、それではコンフリーを飼料として使って良いかどうかということですが....

ある物質(飼料)が安全かどうかは「量」の問題です。どんなに毒性の強い物質でも、有害作用をおよぼす量以下の摂取であれば安全であるといえます。逆に毒性が弱くても、大量に摂取すれば悪影響があらわれる可能性があります。

コンフリーでピロリチジンアルカロイドを多く含むのは根の部分で、葉に含まれるアルカロイドは根の10分の1ほどです。

また、コンフリーを飼料として給与した家畜に異常が見られたという報告はないようです。

さらに、Senecio属植物をニワトリに給与しても、卵からピロリチジンアルカロイドは検出されなかったという報告もあります。

このようなことから、コンフリーを家畜の飼料として使うことにはさほど神経質になることはないようにも思えます。

一方、コンフリーではありませんが、多量のピロリチジンアルカロイドを家畜に給与すると、ピロリチジンアルカロイドやその代謝産物が乳汁中に移行することが報告されています。

また、飼料安全法に基づく省令1条(規格等省令)には、「有害な物質を含み、若しくは病原微生物により汚染され、又はこれらの疑いのある飼料使用してはならない」とあります。

以上のことを総合すると、厚生労働省が食品としてのコンフリーの使用を規制している状況下で、コンフリーを飼料として敢えて利用することは避けていただいた方がいいと思います。

 

農林水産省 消費・安全局 衛生管理課長から、「有害畜産物が生産され、又は家畜等に被害が生ずる可能性が否定できないことから、念のための措置として、コンフリーを飼料又は飼料原料に使用しないよう注意されたい」という通知が、2004年7月6日付けで、各地方農政局長および各飼料関係団体へ発出されました。

同時に、ピロリチジンアルカロイドを含むと考えられる他の植物(ムラサキ科キダチルリソウ(ヘリオトロピウム)属、キク科キオン(セネシオ)属、マメ科タヌキマメ属)についても注意が喚起されました。

 

参考文献

  1. Cheek, PR (1988) Toxicity and metabolism of pyrrolizidine alkaroids. J Anim Sci, 66:2343-2350.
  2. Eroksuz, H et al. (2003) Toxicity of Senecio vernalis to laying hens and evaluation of residues in eggs. Vet Hum Toxicol, 45:76-80.
  3. Panter, KE et al. (1990) Natural plant toxicants in milk: a review. J Anim Sci, 68:892-904.
  4. 食品安全委員会(2004) 厚生労働省発食安第0324001号におけるシンフィツム(いわゆるコンフリー)及びこれを含む食品に係わる食品健康影響評価結果の通知について.府食第667号(平成16年6月17日付け).
  5. 船山信次(1998)アルカロイド.共立出版.

(2004.6.22登録、2012.6.26更新)

食品安全委員会回答書へのリンクをpdfファイルへダイレクトにリンクした。

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