ウマノアシガタ

学名:Ranunculus japonicus Thunb. ex Murray

英名:buttercup

分布

日本全土に分布.ウマノアシガタの仲間には,キツネノボタン R. silerifolius,ミヤマキンポウゲ R. acris subsp. novus など多数の自生種がある.

有毒成分

プロトアネモニン.ウマノアシガタに含まれる配糖体ラヌンクリン(ranunclin)が,葉をすりつぶしたりすることにより加水分解され,プロトアネモニン(protoanemonin)となる.プロトアネモニンは,皮膚や粘膜のスルフィド基と結合し,強い刺激性を示す.乾燥や煮沸によって2分子が重合し,刺激性のないアネモニン(anemonin)となる.プロトアネモニンは,キンポウゲ科の植物に広く分布しており,ウマノアシガタを含む Ranunculus 属をはじめとして,Anemone 属(イチリンソウやイチゲの仲間),Clematis 属(ボタンヅル,その他園芸用クレマチス類),Helleborus 属(クリスマスローズ類)などに含まれる.

中毒症状

口内の腫脹,胃腸炎,疝痛,下痢,血尿,苦みのある赤色乳.

重症では,黒色敗臭便あるいは血便,嘔吐,神経症状,呼吸緩除,瞳孔散大を経て死に至ることもある.

海外ではミヤマキンポウゲの基本亜種 (Ranunculus acris subsp. acris) を摂取した犬で強度の蕁麻疹と報告(文献4).

Buttercup (Ranunculus bulbosus)が原因と疑われる牛の中毒例では,肝毒性光線過敏症の報告(文献2)

診断法

植物中プロトアネモニンは高速液体クロマトグラフィーで定量できる(文献1).

病理所見は,胃腸粘膜の腫脹,出血斑.腸内容には血液が混じ,腎臓では出血性腎炎.

文献

  1. Bonora, A. et al. 1985. Separation and quantitation of protoanemonin in Ranunculacea by normal and reversed-phase HPLC. Planta. Med. 51:346-
  2. Kelch, W.J. et al. 1992. Suspected buttercup (Ranunculus bulbosus) toxicosis with secondary photosensitization in a Charolais heifer. Vet. Hum. Toxicol. 34:238-239.
  3. Spoerke, D.G. 1990. Protoanemonin. In Toxicity of house plant. (CRC press) p37-39.
  4. Winters, J.B. 1976. Severe urticarial reaction in a dog following ingestion of tall field buttercup. Vet. Med. Small. Anim. Clin. 71:307.

 

「写真で見る家畜の有毒植物と中毒」

  

(最終更新:2005.1.11)


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農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム