銅
毒性
消化管から吸収された銅はアルブミンと結合して肝に運搬される.
肝は銅の恒常性に重要な臓器.
細胞内では銅はメタロチオネインと結合している.
胆汁へ排泄されたり,他の組織へ再分配される.血中ではアルブミンやセルロプラスミンなどと結合.
羊は銅の排泄能が低く,銅中毒を起こしやすい.
肝銅濃度と血中銅濃度は比例しない.
高濃度に蓄積された銅により肝障害.
肝に蓄積された銅はストレスなどの刺激で放出され,血清濃度が急上昇.
銅は直接あるいはラジカル生成を介して酸化ストレスを与える.
赤血球ではグルタチオンの低下やメトヘモグロビンの増加,溶血性貧血.
急性毒性(LD50)
羊:20-50 mg/kg
成牛:200-800 mg/kg
子牛:40-100 mg/kg
中毒症状
慢性中毒:虚弱,粘膜蒼白,食欲不振,ヘモグロビン血症,ヘモグロビン尿症,黄疸
急性中毒:慢性中毒症状に加え,腹痛,嘔吐,下痢,ショック
病理所見
腎は肥大し金属色(青黒色)
赤色尿
黄疸,胆嚢の膨張
黄疸による肝臓の緑黄色化は,「NIAH病理アトラス」を参照.
肝の壊死,肝細胞質の空砲
尿細管の壊死,尿細管内にヘモグロビンの蓄積
診断
銅の過剰摂取になりやすい飼養条件(牛の飼料を羊に給与など)
臨床症状,病理所見.
血液所見:血清ビリルビン濃度,LDH活性,AST活性の上昇.
銅濃度の測定:肝臓 150 ppm以上(湿重量),飼料 25 ppm以上
(最終更新:2008.3.21) 「NIAH病理アトラス」へのリンク追加