ドクウツギ

学名:Coriaria japonica A. Gray

分布

北海道・本州(近畿以北)の山地に自生する落葉低木.

有毒成分

コリアミルチン(coriamyrtin),ツチン(tutin)などモノテルペン骨格を有するラクトン化合物.

コリアミルチンはツチンよりも速やかに吸収され,速効性で,ツチンの4倍以上の毒性があるので,ドクウツギ中毒の主体はコリアミルチンと考えられる.

コリアミルチンのLD50(マウス)は,1mg/kg 体重 ,ウサギに対する致死量は, 0.5 mg/kg 体重(静脈内注射), 3 mg/kg 体重(皮下注射).

全草が有毒だが,特に果実に有毒成分が多い.コリアミルチンの作用機序は,γ-アミノ酪酸(GABA)受容体の機能を抑制する結果,GABAによるシナプス前抑制が遮断されて興奮作用が発現する.

中毒症状

牛では採食後20-30分から泡沫を含んだ流涎が見られ,ついで強烈な痙攣,苦悶,騒擾,てんかん様症状を呈す.このような発作を間欠的に繰り返した後,痙攣が持続して死亡する.

診断法

剖検所見は,口,鼻腔からの少量の血液が混じった泡沫性粘液の漏出,皮膚血管の怒張と暗赤あるいは暗黒紫色の血液の充満.腹腔内面の溢血斑,胃腸粘膜の出血斑などが見られる.気管支は暗紫紅色で出血,内腔は黄紫色の泡沫性液を充満.急性の死亡例では,肺の限局性鬱血がみられ,その他の部分はむしろ貧血状態.

文献

  1. 柴田章次 1955. Coriamyrtin の薬理知見補遺. 日薬理誌 51:229-235.
  2. 藤井眞行 1999. コリアミルチン, アニサチン, チクトキシン. 日本臨床 27:Pt2(別冊)領域別症候群シリーズ p682-684. 

 

「写真で見る家畜の有毒植物と中毒」

  

(最終更新:2005.1.11)


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農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム