ヨウシュチョウセンアサガオ
ヨウシュチョウセンアサガオ
学名:Datura stramonium L.
英名:thorn apple, Jimsonweed
アメリカチョウセンアサガオ
学名:D. meteloides Dunal
英名:thorn apple, sacred datura
ケチョウセンアサガオ
学名:D. inoxia Mill.
チョウセンアサガオ
学名:D. metel L.
英名:Hindu datura
分布
ヨウシュチョウセンアサガオは熱帯アメリカ原産のナス科の一年草で,日本でも広く栽培されまた野生化している.
チョウセンアサガオは熱帯アジア原産で,江戸時代に中国を経由して日本に伝わり,薬草として栽培されたが,栽培が難しく,現在では薬草園などでしか見ることは出来ない.
園芸用に栽培されているエンゼルトランペット(ダチュラともよばれている)はアメリカチョウセンアサガオの仲間のキダチチョウセンアサガオである.名前は優しいが注意が必要である.
有毒成分
葉に(-)-ヒヨスチアミン(hyoscyamine)を含む.
ヒヨスチアミンの抽出過程で,側鎖のトロピン酸(tropic acid)の部分がラセミ化したものがアトロピン(atropine)である.
一方,種子には(-)-スコポラミン(scopolamine)が含まれる.
アトロピンやスコポラミンは,ムスカリン受容体へのアセチルコリンの結合を競合的に拮抗することにより,副交感神経興奮遮断作用を示す.
アトロピンとスコポラミンの薬効差は少なく,動物種差も少ない.
治療量では中枢作用をほとんど示さず,頻脈,散瞳,唾液分泌や胃運動の低下などがみられる.
大量に摂取すると中枢神経系の興奮をきたし,同時に筋緊張の支配能力が低下するため,運動協調不全がおきる.
中毒症状
頻脈,散瞳,唾液分泌や胃運動の低下などがみられる.
中毒による胃アトニーにより採食量が減るため,自動的にそれ以後のチョウセンアサガオ摂取が抑えられるので,死に至ることはほとんどない.
牛の場合,第一胃液のVFA濃度が上昇する.
トロパンアルカロイドに対する感受性は豚が一番高く,牛,馬,ニワトリの順に感受性は低い.
豚では,飼料中アルカロイド濃度が1.5 mg/kgまでは中毒の心配はないと報告されている.ニワトリでは飼料中のアルカロイド濃度が75 mg/kgまでは異常が現れない.
診断法
トロパンアルカロイドの薄層クロマトグラフによる定性,ガスクロマトグラフによる定量分析(衛生試験法・注解).
キャピラリー電気泳動法によるトロパンアルカロイドの分析(文献2).
剖検では,肺の充血と水腫,胸水の貯溜,髄膜の充血および脳室の拡張が観察される.また,脳,胃および小腸などに窒息の特徴所見である点状出血が見られる.
文献
(最終更新:2006.2.3)