麦角アルカロイド

 

由来:

麦角病の病原であるClaviceps属菌が作るマイコトキシン.

ライ麦麦角病の原因菌はC. purpurea

トールフェスクに感染するエンドファイトNeotyphodium coenophialumやペレニアルライグラスに感染するN. loliiも,エルゴバリンなどの麦角アルカロイドを産生(3).

作用機序:

麦角アルカロイドは子宮や血管などの平滑筋に直接作用しこれを収縮させる.

交感神経α遮断作用を有する.

ドパミン作動薬としても働き,プロラクチンの分泌が抑制される.

オレゴン州立大学では,トールフェスクに感染するエンドファイトが産生するエルゴバリンの安全基準を500-750 ppbと提唱している(2).

中毒症状:

血管平滑筋収縮作用による循環障害による四肢の末端や尾の壊疽.

プロラクチン分泌抑制による泌乳量の低下と体温調節機構の障害.

エンドファイトに感染したトールフェスクによる中毒でも同様の中毒症状(フェスクトキシコーシス)を示すが,夏期には増体量低下,唾液分泌亢進,体温・呼吸数上昇,受胎成績悪化,泌乳量減少等の症状が顕著で,サマーシンドロームと呼ばれる.冬季には,耳や尾の先,ひづめ等に壊疽を起こすので,フェスクフットと呼ばれる(1).

診断:

トールフェスクについては,エンドファイト菌糸の確認.方法はこちら

マイコトキシンの検出.

エルゴバリンの分析は「飼料分析基準」に準ずる.

ストロー中エルゴバリン濃度の測定は,(独)農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が一元的に分析することになっている.フェスクトキシコーシスを疑う症例が発生したときは,農水省消費・安全局畜水産安全管理課に報告し,指示に従って材料をFAMICに送付する.この件に関する詳細はこちら

文献:

エンドファイト中毒に関する詳細はこちら

1) Schmidt, S. P. and Osborn, T.G. : Agric.Ecosys.Environ., 44, 233 (1993).

2) Tor-Agbidye, J. et al.:Vet. Hum. Toxicol., 43, 140 (2001).

3) Yates, S.G , Plattner, R.D., Garner, G.B.: J. Agric. Food Chem., 33, 719 (1985).

 

 

(最終更新:2008.7.16)


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農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム