シキミ

学名:Illicium religiosum Siebold & Zucc.

分布

本州(宮城・石川以西)・四国・九州・中国・台湾に分布する常緑の小高木.墓地や寺院のほか公園などの造園木にも用いられている.ミヤマシキミ(Skimia japonica Thunb. )はミカン科の植物で,シキミとは類縁関係にない.

有毒成分

アニサチン(anisatin)が有毒成分で,全草に含まれるが,特に実に多い.神経伝達物質γ-アミノ酪酸(GABA)の作用と拮抗することにより症状を発現する.作用部位は中脳および延髄(文献1,3).

中毒症状

牛の中毒事例では,神経過敏,強直性痙攣,発汗,心音不整,徐脈,胃腸運動停止,泥状便等がみられ,重篤になると起立不能になり死にいたる(文献2).犬ではてんかん様痙攣.ヒトの場合,症状は採食後数時間で現れ,嘔吐,下痢などの消化器症状,四肢の間代性痙攣,意識障害を伴う全身性強直性痙攣に至る(文献3).

診断法

アニサチンの検出(文献2).

病理所見は,肺の出血性梗塞,浮腫,漿液膜下の溢血,胃幽門部,腎,肝,脳のうっ血.

文献

  1. Kudo, Y. et al. 1981. Anisatin, a potent GABA antagonist, isolated from Illicium anisatum. Neurosci. Lett. 25:83-88.
  2. 小林弘明ら 2003.黒毛和種におけるシキミ中毒.日獣会誌 56:15-20.
  3. 藤井眞行 1999. コリアミルチン, アニサチン, チクトキシン. 日本臨床 27:Pt2(別冊)領域別症候群シリーズ p682-684.

 

「写真で見る家畜の有毒植物と中毒」

(最終更新:2005.8.19)


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農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム