オクラトキシンA
由来:
Penicillium verrucosumや Aspergillus ochraceus,A. carbonariusなどのカビが産生するマイコトキシン.
オオムギ,コムギ,トウモロコシなどの穀物を汚染する.
P. verrucosumは低温でも増殖してオクラトキシンAを産生するため,ヨーローッパ諸国やカナダのような寒冷地でも問題になる.
作用機序:
体内に吸収されたオクラトキシンは腎に高濃度に分布する.細胞での蛋白質,DNAおよびRNAの合成を阻害する.腎で種々の酵素活性を阻害することにより腎毒性を示す.
同様に腎毒性のあるマイコトキシンのシトリニンと同時に検出されることも多いが,同時に摂取しても相加的に腎毒性を示すことはないとの報告もある(1).
反芻家畜の第一胃は,オクラトキシンAを分解してフェニルアラニンと毒性の低いオクラトキシンαに変換する能力が高いので(2,3),オクラトキシンによる中毒は起こりにくいが,第一胃機能が未熟な子牛はオクラトキシンに対する感受性が高い(6,7).
腎障害を指標とした豚へのオクラトキシンAの最小影響量は8μg/kg体重である(5).
中毒症状:
多尿,尿糖,蛋白尿などの腎機能障害.BUN濃度の上昇.
病理組織学的には,近位尿細管の変性,間質の線維化,糸球体の硝子様変性など(4).
診断:
飼料からのオクラトキシンAの検出(ELISAキットあるいは機器分析).
機器分析は「飼料分析基準」に準ずる.
血漿からのオクラトキシンAの検出.
ELISA法についての注意はこちら.
文献:
1) Braunberg, R.C. et al: Nat. Toxins, 2, 124 (1994).
2) Hult, K. et al: Appl. Environ. Microbiol., 32, 443 (1976).
3) Kiessling, K.H. et al: Appl. Environ. Microbiol., 47, 1070 (1984).
4) Krogh, P. et al: Vet Pathol., 16, 466 (1979).
5) Krogh, P. et al.: J. Toxicol. Environ. Health, 23, 1 (1988).
6) Ribelin, W.E. et al.: Can J Comp Med., 42, 172 (1978).
7) Sreemannarayana, O. et al: J Anim Sci., 66, 1703 (1988).
(最終更新:2005.1.13)