有機リン農薬簡易検出法

 

尿中有機リン農薬の定性試験(ニトロベンジルピリジン法)

 

方法

尿1 mlを密栓ができる透明試験管(テフロンシール付きスクリューキャップ試験管)にとる.

0.1 mlの45% 4-(4-ニトロベンジル)ピリジンのアセトン溶液を加え30秒撹拌.

100℃で20分加熱.

室温で冷却.

0.1 mlのテトラエチレンペンタミンを加え撹拌.

1 mlのジエチルエーテルを加え撹拌して発色物質を抽出し,エーテル層の520 nmでの吸光度を測定(あるいは目視でエーテル層の色調観察).

注意

有機リン農薬の種類によって発色の程度が異なるので,疑われる農薬で発色の程度を確認する.

キット化したものが関東化学から発売されている.

有機りん系農薬検出キット(関東化学,31115-96,10回分 9,500円)

文献

Clinica Chimica Acta 291:9-18 (2000).

 

有機リンおよびカーバメート剤の簡易検出法

(コリンエステラーゼ活性阻害作用の検出)

原理

正常血清と試料を反応させ,血清コリンエステラーゼ活性が低下すれば陽性とする.

コリンエステラーゼ活性は,Ellman法(Biochem. Pharmacol. (1961) 7:88-95)で測定.基質にアセチルチオコリンを用い,遊離するチオコリンをDTNBと反応させ,生成する黄色色素で検出する.

試薬

0.1 M トリス塩酸緩衝液

TRIZMA BASE(シグマ)1.2 g に蒸留水およそ80 mlを加えて溶解後,1 N HClでpHを8.5に調整後100 mlにメスアップ

0.075 M アセチルチオコリン

よう化アセチルチオコリン 217 mgを蒸留水に溶かして全量を10 mlとする.

0.01 M DTNB

5, 5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸) 39.6 mg を0.1 M トリス緩衝液で溶かして全量を10 mlとする(用事調製).

方法

正常牛血清と試料(尿,第一胃液,抽出水溶液)を等量混合し,30℃で60分反応.

トリス緩衝液 2.88 ml,アセチルチオコリン溶液 20μl,DTNB溶液 100μlを混合し,30℃で3分加温.

試料と反応させた血清40μリットルを加え,30℃で412 nmでの吸光度を3分間記録(1分間あたりの吸光度の変化を記録).

ブランク(ダブルビームではreference側)には,反応液に水40μlを加えたものを使用.

対照(正常血清と水を反応させたもの)と比較し,黄色色素の生成が少なければ,試料中にコリンエステラーゼ活性阻害物質が存在する.

無処置の血清を使えば,その血清のコリンエステラーゼ活性を測定できる(本来はコリンエステラーゼ活性測定法).

コリンエステラーゼ活性は1分間あたりの黄色色素の生成量(μmoles)で表す.黄色色素の分子吸光係数は 13600/cm/M (412 nm).

文献

図説動物実験の手技手法.1981 共立出版.pp105-109.

最新裁判化学.1994 南江堂.pp204-205.

注意

植物の中には,コリンエステラーゼ活性阻害作用を持つ物質を含むものがあるので注意を要する.

姉帯ら(1985)北海道立衛生研究所報,35,45-51.参照

 

(最終更新:2005.1.11)


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農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム