ヨウシュヤマゴボウ

学名:Phytolacca americana L.

英名:pokeweed

分布

ヨウシュヤマゴボウは北米原産の帰化植物で,日本各地に分布する.

有毒成分

トリテルペノイドサポニンのフィトラカトキシン(phytolaccatoxin,アグリコンはフィトラカゲニン(phytolaccagenin))を含む.

全草に含まれているが,根に多く果実には少ない.

根には硝酸カリウムが多く含まれている.

中毒症状

牛では,流産,昏睡,痙攣,下痢,嘔吐などがみられる.

アメリカで行われた給与実験では,2頭の乳牛にヨウシュヤマゴボウ全草をコーンサイレージと混合して給与したところ,嗜好性は極めて悪く,混合したヨウシュヤマゴボウを避けて食べたようです.12時間の間に1頭はヨウシュヤマゴボウ4ポンドを,もう一頭は1ポンドを摂食し,4ポンド食べた牛は,下痢,体温低下を呈したが,牧草に対しては食欲を示し,泌乳量も変化しなかった.1ポンド食べた牛は,軽い下痢を示しただけであった(文献2).

七面鳥の初生雛にヨウシュヤマゴボウの果実を給与した実験では,死亡率の増加,増体量の低下,運動失調,膝関節部の腫脹,腹水の増加などがみられ,死亡した雛の胆嚢は拡張して褐色の液体を貯留していた(文献1).

診断法

フィトラカトキシンは薄層クロマトグラフィーで分離,検出できるが(文献5),標準物質は市販されていない.

文献

  1. Barnet, B.D. 1975. Toxicity of pokeberries (fruit of Phytolacca americana Large) for turkey poults. Poult.Sci. 54: 1215-1217.
  2. Kingsbury, J.M. and Hillman, R.B. 1965. Pokeweed (Phytolacca) poisoning in a dairy herd. Cornell Veterinarian 55: 534-538.
  3. Peixoto, P.V. et al. 1997. Phytolacca decandra poisoning in sheep in southern Brasil. Vet. Human Toxicol. 39: 302-303.
  4. Storie, G.J. et al. 1992. Suspected packalacca (Phytolacca dioica) poisoning of cattle and chickens. Aust. Vet. J. 69: 21-22.
  5. Wang, Z. et al. 1990. Quantitative determination of phytolaccatoxin in radix Phytolacceae by TLC-densitometry. Chung Kuo Chun Yao Tsa Chih 15: 533-535. (in Chinese)

 

「写真で見る家畜の有毒植物と中毒」

  

(最終更新:2005.1.11)


検索へ戻る

有毒植物の目次へ

目次へ戻る

トップペイジへ戻る

本情報の無断転載を禁じます

農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム