消化管内容からの植物遺伝子の検出
有毒植物による中毒の診断では,消化管内容の肉眼あるいは顕微鏡観察による植物の同定が有力な判定基準となる.しかし,咀嚼や消化によって形態的な同定が不可能なことも多い.
そこで,植物の種特異的遺伝子を利用した同定法が各種試みられている.この手法はDNAバーコーディングと呼ばれており,ターゲットとする遺伝子の検討が行われている.このうち,rbcL(ribulose-1.5-bisphosphate carboxylase/oxygenase)遺伝子はDDBJへの登録数も多いなどの利点が多いことから,植物同定のためのターゲット遺伝子として用いられている(1).
この報告の著者らは植物rbcL遺伝子のデータベース構築を進めており,これが利用できるようになれば,消化管内の植物同定に有力なツールとなる.
検出手法はPCR法が基本となるので,高価な機器を必要とせず,かつ手慣れた手法で植物の同定が実施できる.
神吉ら(2)は,獣医学領域で初めてこの技術を有毒植物中毒の診断に応用し,ワラビ中毒を疑う事例で,胃内容からワラビのrbcL遺伝子を検出している.
文献
(登録:2010.6.28)