カラクサナズナ(カラクサガラシ)

学名:Coronopus didymus (L.) J.E.Smith

英名:lesser swinecress

分布

ヨーロッパが原産の外来雑草.九州を中心にして北海道を除きほぼ全国的に分布.

異臭乳の発生とその原因物質

カラクサナズナを摂取した牛の乳に異臭を発生させる.九州農業試験場(現九州・沖縄農業研究センター)の塩谷(現所属畜産草地研究所)らの実験では,カラクサナズナの臭気を泌乳牛に吸わせても異臭乳は発生せず,カラクサナズナ摂取後にのみ異臭乳が発生した.体重580 kgの泌乳牛に1日4 kgのカラクサナズナ生草を2日間給与したところ異臭乳が発生し,給与後60時間の臭気が最も強かった(文献2).カラクサナズナの香気成分を分析したところ,多量のベンジルイソチオシアネート(benzyl isothiocyanate)が検出され,異臭乳からもベンジルイソチオシアネートが検出された.さらに異臭乳では,牛乳の芳香性に関与するラクトン類が減少していた.これらのことから,カラクサナズナに含まれるイソチオシアネートの抗菌作用により第一胃細菌叢が変化し,これによって異臭乳が発生したものと考えられている.また,乳汁に移行したベンジルイソチオシアネートも異臭の要因の一つと思われる.

文献

  1. 佐藤節郎 1996.異臭乳の原因となる帰化雑草「カラクサガラシ」.畜産の研究 50:371-375.
  2. 塩谷繁ら 1999.カラクサガラシによる異常風味牛乳の発生機構 1.異常風味牛乳の臭気成分および臭気の移行経路.日本草地学会講演要旨 p296-297.

 

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(最終更新:2005.1.11)


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農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 安全性研究チーム