ユズリハ

学名:Daphniphyllum macropodum Miq.

エゾユズリハ

学名: D. macropodum Miq.var humile (Maxim.) Rosenth

ヒメユズリハ

学名: D. teijsmmani Zoll. Ex Teijsm.&Binn

ユズリハは、高さは10mほどになるユズリハ科の常緑高木で、本州の中部から沖縄にかけて分布します。本州北部から北海道にかけては、矮性で高さ2mほどの変種エゾユズリハ(D. macropodum Miq. var humile (Maxim.) Rosenth.)が、九州南部以南には同属のヒメユズリハ(D. teijsmmani Zoll. Ex Teijsm.&Binn)が分布しています。ユズリハはかつてはトウダイグサ科(Euphorbiaceae)に分類されていましたが、トウダイグサとは異なる点が多く、10属からなる小さなユズリハ科(Daphniphyllaceae)が作られました。長楕円形で長さ20cmほどの葉が枝先に互生します。葉の表面は深緑色、裏面は白緑色で、葉柄は長く赤色を帯びています。ユズリハ(譲葉)の名の由来は、初夏に新葉が開くと夏から秋に2年葉が落葉すること、つまり新しい葉が伸びてから古い葉が落ちることからきていると言われます。このように、新旧の世代が交代して絶えることなく続くということから、縁起の良い物として正月や祝い事の飾り物として用いられます。また、葉の主脈が太く弓に似ていることから、弓弦葉(ゆずるは)の名がついたとも言われています。 エゾユズリハは、ユズリハの変種で、矮性種です。同属のヒメユズリハは、葉長がユズリハの半分ほどで、葉は上向きです。

ユズリハの果実(東京都、11月)
  エゾユズリハ(茨城県つくば市、2月)         ヒメユズリハ(茨城県つくば市 2月) 

有毒成分

ユズリハからはダフニマクリン(daphnimacrin)、ダフニフィリン(daphniphylline)、ユズリミン(yuzurimine)をはじめとして多くのアルカロイドが単離されています(3,4)。しかし、これらのアルカロイドにどのような毒性があるのか、どのアルカロイドが中毒の主要な原因なのかは明らかになっていません。

中毒症状

北海道と静岡での発生事例が報告されています。北海道の放牧牛に発生したエゾユズリハ中毒事例では、重篤なものでは急死していますが、病勢が比較的軽度なものでは、疝痛、黄疸、可視粘膜・胸垂・乳房などのチアノーゼ、第一胃運動の停止、便秘または下痢などが観察されています(1)。静岡の事例は、注連飾りを作った際の藁くずを牛舎に投入したため、これに混入していたユズリハを採食してしまった事例と剪定したユズリハを給与した事例の2例です。2例とも食欲不振、起立不能を呈し、急性胃腸炎で予後不良としてと場に搬入されています(2)。2012年には鹿児島で同属のヒメユズリハによる黒毛和種繁殖牛の中毒が起きています。

 

文献

1) 其田三夫ら 1978.北海道南部の放牧牛に発生したエゾユズリハ中毒症に関する研究.日獣会誌.31: 140-145.

2) 鈴木輝彦ら 1978.「ゆずりは」(交譲木)による牛の中毒例.獣畜新報.No.687: 583-586.

3) 戸田正明ら 1970.ユズリハのアルカロイド.化学雑誌.91: 103-108.

4) 八木精一 1909.交譲木ノ「アルカロイド」ニ就キテ.京都医学雑誌.6: 208-223.

 

目次へ戻る

トップページへ戻る 


最終更新日:2008.2.4 果実の写真追加
        2017   エゾユズリハ、ヒメユズリハの写真追加。ヒメユズリハの中毒について記載。
        2018.2.8

 

本ウェブサイトの情報を無断で転用することを禁じます
独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門