温暖地での発生が多い葉枯性のバクテリア病。葉では初め水浸状の斑点が現れるが、後にチョコレ−ト色の楕円形、紡錘形または不定形病斑となり、病斑周囲は黄色いハロー(かさ)で囲まれる特徴がある。病勢が進むと病斑が縦に伸び条状になり、最終的には枝梗や種子も侵されることがある。特にメドウフェスクが弱い。病原菌はライグラスかさ枯病菌と同種である。 |
穂での発生が問題になる糸状菌病。穎花が赤〜褐色となり、穎の合わせ目などにピンク色のかびが生える。葉でも発生し、米粒大程度の同心輪紋を持つ楕円形病斑を形成する。病原菌は土壌中でも長く生存し、これが一次伝染源となる。他にイネ、麦類など多くの穀類で発生する。 |
斑点性の糸状菌病。発生初期は長さ1〜2cm、幅1〜5mmの網目状病斑であるが、後期には長さ1〜3cm、幅5〜8mmの褐色条斑になる。病斑が大型化した場合には葉枯れ状態となることが多い。病斑はやや不明瞭だが、葉の裏側でより見分けやすい。病原菌はライグラス網斑病菌とは別種であり、寄生性が異なる。 |
葉枯を引き起こす糸状菌病。病斑は初め雲形状退緑色で、周囲が黄変するが、次第に褐色から淡褐色または紫褐色の楕円形〜紡錘形の斑点となる。病斑内部はやや退色し、葉に密生する。 |
主にメドウフェスクで発生する糸状菌病。病斑は初め褐色の小点あるいは短い線状であるが、徐々に拡大して褐色、楕円形〜紡錘形、長さ0.2-3cm、幅0.1-1cmの病斑になる。病斑の大きさは非常に変異が大きい。病原菌はライグラスの夏斑点病菌と同種であるが、両者が寄生性の点でも同じかどうかは明らかではない。寄主範囲は広い。 |
春から夏にかけて発生する斑点性の糸状菌病。病斑は葉先や葉縁に形成されることが多く、褐色、半楕円形で、周縁部はしばしば不鮮明になる。出穂後に発生すると葉の基部が侵されて、葉全体が枯れ、脱落することが多い。病原菌はライグラス縁枯病菌と同種。 |
イネいもち病と同種で、温暖地で被害の大きい糸状菌病。病斑は初め褐色の小点だが、後に内部灰白色、周囲黒褐色で、紡錘形、長さ0.3-1cm、幅0.2-0.6cm程度になる。幼苗で発生すると特に被害が大きい。イネいもち病の初期感染源となる可能性がある。フェスクおよびライグラスのいもち病菌は、イネいもち病菌と同種であるとされる。しかし、寄生性は様々であり、牧草の菌がイネにつく場合とそうでない場合がある。フェスク菌はライグラスに病原性を持つが、イネおよびメヒシバには病原性がない。ジヒドロピリキュロール型毒素を産生する。
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