シロクローバの病害 (1)


モザイク病(mosaic-byo) Mosaic
病原:Bean yellow mosaic virus (BYMV)、White clover mosaic virus (WCMV)、virus (unidentified)、ウイルス
 代表的なウイルス病。自然状態では利用2ー3年目からはほとんどの株が罹病する。病徴は春から現れるが、植物の種類や環境条件によって、黄斑モザイク、緑斑モザイク、退緑斑点、縮葉など様々な病徴となる。ウイルスはアブラムシにより伝播されるが、その種類も様々である。病原ウイルスは3種が報告されているが、主なものはBYMV、WCMVである。病徴によりウイルスの種類が大体判別できる。


葉化病(youka-byo) Phyllody
病原:Phytoplasma (PLO)、ファイトプラズマ
 頭花を葉化させるファイトプラズマ病。関東地方で1970年代に確認された。病徴は、軽症の場合は花梗や萼が異常に伸長するだけだが、重症化すると萼が葉状となり、頭花から大きく伸長する。伸長した葉は徐々に葉縁から黄変または赤変し、早期に枯死する。アカクローバおよびアルサイククローバにも発生する。葉化の出現は気温25℃以上で促進されるが、これは植物体内に感染するPLOの増殖速度と関係するとされる。


白斑病(hakuhan-byo) Stagonospora leaf spot
病原菌:Leptosphaeria pratensis Saccardo et Briard、子のう菌
 葉に発生する斑点性の糸状菌病。初めは白色の楕円形病斑であるが、後に淡褐色になり、拡大して他の病斑と融合し、不定形となる。周縁部は徐々に濃褐色となり、病斑は鮮明になる。病斑表面には小粒点(柄子殻)が形成される。病原菌はシロクローバのみを侵し、他のクローバ類には寄生しない。


斑点病(hanten-byo) Summer black stem and leaf spot
病原菌:Cercospora zebrina Passerini、不完全菌
 主に葉と葉柄に発生する斑点性の糸状菌病。葉では葉脈に仕切られた灰褐色の病斑となり、互いに融合して葉を枯らす。葉柄に発生すると紫褐色の条斑となり、被害はさらに大きくなる。病原菌は他のクローバ類も侵すが、寄生性は若干分化しているとされる。


葉さび病(hasabi-byo) Leaf rust
病原菌:Uromyces trifolii-repentis Liro、担子菌
 葉に発生するさび病。シロクローバ上に精子器、さび胞子堆、夏胞子堆および冬胞子堆の全世代を形成する。春から初夏および秋に発生し、さび胞子堆は鮮黄色で盃状、夏胞子堆は淡褐色から褐色、円形で、やや隆起し、葉全面に散在する。冬胞子堆は暗褐色で、やや隆起する。多発すると葉はまくれ上がるように枯れる。


火ぶくれ病(hibukure-byo) Leaf curl
病原菌:Olpidium trifolii Schroter、べん毛菌
 葉に火ぶくれ状の膨らみを生じる糸状菌病。病斑は葉では直径2-5mmで、変色はしない。葉柄や茎に発生するとこぶ状になり、その部分でねじ曲がったようになる。激発すると、株全体の勢いが大きく衰える。シロクローバにのみ発生する。


いぼ斑点病(ibo-hanten-byo) Common leaf spot
病原菌:Pseudopeziza trifolii (Bivona-Bernardi) Fuckel、子のう菌
 クローバの代表的な斑点性の糸状菌病。春および秋に冷涼多湿条件で多発するため、特に北海道など冷涼地での被害が大きい。病斑は初め褐色〜黒褐色の小点が多数形成され徐々に広がるが、直径1-3mmにとどまることが多い。特に葉の裏の病斑の中央部にはいぼ状の突起が現れるが、これが雨によってふやけ胞子を飛散する。激発時は多数の葉が罹病し、枯死する。病原菌はアルファルファのいぼ斑点病菌とは別種である。他にアカクローバおよびアルサイククローバに発生する。


蛇の目葉枯病(janome-hagare-byo, 病名未登録) Zonate leaf blight
病原菌:不明糸状菌


褐斑病(kappan-byo) Leaf spot
病原菌:Stagonospora recedens (Massalongo) Jones et Weimer、不完全菌
 主に葉に発生する斑点性の糸状菌病。病斑は中央部濃褐色、周縁部灰白色で、円形から楕円形、長さ2-5mm程度となる。病斑にはうすい輪紋が形成されることがあり、表面には黒色小粒(柄子殻)を生じる。病斑は相互に融合して葉を枯死させる。病原菌はアカクローバにも寄生する。


菌核病(kinkaku-byo) Sclerotinia crown rot and root rot
病原菌:Sclerotinia trifoliorum Eriksson、子のう菌
 冷涼多湿地域で発生する、株枯を引き起こす重要な糸状菌病。秋に感染して初め小さな斑点が現れ、やがて葉や茎が黄化、枯死する。積雪下で徐々に進行し、翌年の春の融雪後、気温の上昇と共に一気に茎葉や根が灰白色に腐敗する。枯死した植物の表面には綿毛状の白い菌糸が多量に絡みつき、やがて黒色、不定形、大きさ8ー10mm程度の大型の菌核が形成される。これが秋に発芽して明褐色、かさの直径が3ー8mmのキノコを形成し、ここから胞子が飛んで再び感染が起こる。病原菌の寄主範囲は広く、アルファルファやベッチ類にも感染する。


茎さび病(kukisabi-byo) Stem rust
病原菌:Uromyces flectens Lagerheim、担子菌
 葉柄および葉に発生するさび病。シロクローバ上では冬胞子堆のみを形成する。冬胞子堆は主に葉柄と葉の裏に形成され、濃褐色、楕円形で、かなり大きく隆起する。多発すると葉はまくれ上がるように枯れる。

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