【表題】 ブロイラー飼育管理試験 ウィンドウレスブロイラー用鶏舎における敷料処理剤「PLT」の散布効果

【著者名】 河合恒祐;川島奈美;田口和夫;山田義武;境田富雄
【所属】 岐阜県養鶏試験場
【発行年】 1994
【雑誌名】 岐阜県養鶏試験場研究報告
【巻】 41
【頁】 28−32
【要約】 ウィンドウレス鶏舎におけるブロイラー飼育は平飼いが一般的で、敷料としてオガクズ等が用いられている。散布した敷料は、鶏ふんと混合して床面に堆積し、その堆積物は、アンモニアを発生する有害細菌やバクテリアの温床になり、ブロイラー育成に悪い影響をおよぼしている。最近、NaHSO4を主成分とする敷料処理剤(以下PLT)が開発され、敷料に添加した場合、舎内中のアンモニア濃度を低下させる効果が報告された。そこで本試験は、PLTを用い舎内のアンモニア濃度とブロイラーの飼養成績について検討した。【材料および方法】使用鶏舎は、1室が5.4×7.3×2.2m、総合貫流率0.45Kcal/u・hrの片側入気の陰圧式ウィンドウレス鶏舎を計4室用いた。1室当たり612羽を供試した。試験区分は1室当たり20kg、10kg、5kgのPLT散布区と無散布の対照区とした。【結果】(1) 飼養成績:@ 増体重は0〜6週齢まではPLT量20kgが最も良い増体量を示し、PLT量が多くなるに従って増体重も優れる傾向にあった。しかし、育成後期7〜8週齢の増体量は育成前半とは逆にPLT量が多くなるに従って増体重が劣る結果となった。育成全体(0〜8週齢)では、有意な差は見らず、対照区が最も優れ、PLT20kg区が劣った。A 飼料摂取量および飼料要求率は共に差はなかったが、PLT20kg区が優れる傾向にあった。事故死を補正した育成率に差は認められなかった。(2) 環境調査:@ PLT散布による敷料中pHが、対照区に対し低くなる傾向が3週齢末より見られ5週齢末まで続き、20kg区と対照区との間に5%水準で有意な差が認められた。また、傾向として対照区、5kg区、10kg区、20kg区の順にpHは低かった。A 敷料の細菌数は4週齢末でPLT量が多くなるにしたがって、その数は減少した。しかし。7週齢末ではその傾向は見られなくなった。【考察】PLTの添加は飼養成績に影響しなかった。4週齢からアンモニア濃度の増加がみられ、5週齢末までPLTを段階的に増加して添加すると舎内中のアンモニア濃度が減少する傾向が見られ、6週齢まではPLT20kg区が最も良い増体となった。アンモニア濃度の減少は、PLTによる低pHが寄与した嫌気性菌の活発な増殖と、PLTのもう一つの効果である「水分が存在すると、その硫酸根の一部がアルカリ性物質をキャッチし中和する」という性質によるものと考えられる。しかし、8週齢で増体量が逆転し、PLT20kg区で非感染性のポックリ病が多発したのは、アンモニア濃度の急激な増加で鶏にストレスがかかったためと思われる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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