【表題】 油脂散布によるブロイラー鶏舎内の臭気対策

【著者名】 川島奈美;横山郁代;伊藤 元;河合恒祐;田口和夫;山田義武;目加田博行
【所属】 岐阜県山県事務所;岐阜県畜産試験場;岐阜県養鶏試験場
【発行年】 1995
【雑誌名】 岐阜県養鶏試験場研究報告
【巻】 42
【頁】 17−21
【要約】 今回の試験ではこれまで利用度の低かった動物性油脂(チキンオイル)を用い、液状で敷料に散布し粉塵及び臭気発生の抑制効果について検討した。【材料及び方法】間口7.3×奥行き5.4×高さ2.2m、床面積39.4uの総合貫流率0.45Kcal/・hr・℃の片側陰圧式ウィンドウレスブロイラー鶏舎2室を油脂散布区と無散布区に区分し、各区300羽ずつ配置した。換気方法は舎内温度に応じ自動風量調節機で作動する直径40cmの有圧扇風機3台を用い、15〜25℃を比例制御で調節した。試験期間は8週間とした。油脂散布は28週齢から実施した。散布した油脂は動物性油脂(チキンオイル)を用い、油脂の粘度を下げるため植物性油脂(サラダオイル)を2:1の割合で混合し、毎週1回0.56 L/uをジョウロで散布した。【結果と考察】@ 増体重は雄雌平均で試験区の2989gに対し、対照区の3046gとやや少ない傾向にあった。飼料摂取量、飼料要求率は各区間に差はみられなかった。へい死に油脂散布の影響は認められなかった。A 粉塵量は、各区散布前に行った調査の値を100とすると、30日齢では対照区79に対し、試験区が34と試験区が対照区と比較し43%減少し、その後も試験区が低く推移したが、53日齢で対照区が46、試験区が54で117%試験区の方が高くなった。敷料水分含量は試験区が低く推移し、平均では対照区と比較し5.8%減少した。B ブロイラー鶏舎内の臭気変化の内、アンモニアは23日齢から45日齢までは試験区の方が低く推移した。対照区の粉塵、アンモニア増加等の環境条件の悪化にもかかわらず8週齢までの増体重(前述)、飼料要求率(2.00)、育成率(98.7%)という良好な成績を示している。アンモニア単独では100ppm程度の高濃度に長時間暴露した場合に初めて生産性に影響が出るといわれている。しかし、高濃度のアンモニアガスがマイコプラズマの増殖に影響を及ぼす例や、微生物の付着した粉塵による感染症伝播が指摘されており、いかに短期間の飼養といえども生産性への悪影響のおそれは大である。C 管理作業面では、アンモニアの作業者の目や呼吸器に対する刺激が緩和され、環境面では、粉塵、アンモニア等の排気混入抑制効果が期待できる。また、当初心配された散布した油脂による羽毛の汚れも、敷料に吸収されたため少なかった。D 今回の試験では、試験区や季節による反復が得られていないため、更に調査が必要である。今後、植物油に対しコストが約1/5であるチキンオイルの効率的散布技術の確立、最適散布量、散布時期の検討が必要である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


[ 文献リスト ] のページ に戻る