【表題】 水分調整材・敷料としての段ボール裁断屑利用の可能性

【著者名】 田口勝士;吉村義久;伊藤良邦;浅井秀樹;清水素子;野垣琢哉;永井勇夫;水野 拓
【所属】 岐阜県畜産試験場;(株)東邦パック;東濃家畜保健衛生所
【発行年】 2000
【雑誌名】 岐阜県畜産試験場研究報告
【巻】 26
【頁】 12−14
【要約】 近年、乳牛ふん尿処理の水分調整材用オガコの確保が困難になってきている。当場が所在する岐阜県恵那地方には地場産業として、包装・梱包用段ボール製造・加工・販売企業が存在する。産出する段ボール裁断屑(以下、段ボール)を資源再利用の観点から、乳牛ふん尿の水分調整材や、フリーストール(以下、F・S)牛舎ベッド敷料としての利用の可能性について検討した。【材料及び方法】[1.供試材料]・生ふん:F・Sふん尿混合ふん。・段ボール:板紙を製缶裁断時に発生する裁断屑。・オガコ:地元製材業者から調達した針広葉樹混合オガコ。・供試材料水分:(夏期試験)生ふん80.0、ダンボール10.7、オガコ12.8(冬期試験)生ふん80.2、ダンボール10.7、オガコ13.5。[2.方法]<@ 段ボール水分調整堆肥化試験>夏季試験、冬期試験とも段ボール区では生ふん600kg、段ボール裁断屑240kgを混合。オガコ区では生ふん600kg、オガコ260kgを混合し、両区とも水分が60%になるよう調整し、コンクリート製簡易堆肥舎へ堆積した。切り返しは週に2回実施した。<A フリーストールベッド段ボール敷料施設試験>段ボール区では、42頭使用規模F・S牛舎(36頭繋養)ベッド8床に、段ボール400kgを敷設した。戻し堆肥区では同数床に戻し堆肥を使用した。【結果及び考察】@ 発酵温度は夏期試験においては、段ボール区では発酵温度が3日目で70℃に達した。オガコ区では6日目に70℃に達した。最高発酵温度は両区とも77℃であった。期間平均発酵温度は段ボール区では57.5℃、オガコ区では45.7℃であった。これは段ボール裁断屑が面積17.6cm2、体積7.22cm3とオガコより大きいため、堆肥の体積密度が粗く、堆積堆肥内に多くの空気を取り込み、好気性発酵条件が揃ったことによりと考えられる。段ボール区では温度上昇と共に水分蒸発が進み、3週目には含有水分が33%台となり急激に発酵温度は低下した。そこで、撒水したところ再び発酵温度は上昇した。オガコ区は発酵温度、水分とも日数の経過に伴い、なだらかに低下した。冬期試験では段ボール区は試験開始後6日目に60℃(雑草種子が死滅するといわれる)に達し、9日間60℃以上を保持した。オガコ区は2週間後の54℃が最高であった。水分含量は発酵温度の違いから、段ボール区では減少したものの、オガコ区では全く減少しなかった。A 敷料利用性については、乳牛のベッドへの入床横臥に違和感は無く、十分な吸水性が認められた。以上より、段ボールがオガコに対する代替材としての利用の可能性が高いことが示された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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