【表題】 アンモニアリサイクラーにより回収した硫酸アンモニウム水溶液を用いたコマツナ栽培試験

【著者名】 小川幹夫;加藤誠二;臼井秀義;中島敏明
【所属】 岐阜県畜産研究所
【発行年】 2012
【雑誌名】 岐阜県畜産研究所研究報告
【巻】 12
【頁】 34−37
【要約】 当研究部では、家畜ふんの堆肥化施設から発生するアンモニアを除去する装置として「アンモニアリサイクラー」を開発し、県内の畜産農家で試験的運用を行っている。これは堆肥化施設から発生する臭気をタンク内の希硫酸に導き、臭気に含まれるアンモニアを捕集し、硫酸アンモニウム水溶液(以下、回収硫安液)を得るものである。回収硫安液を液肥として利用することにより、アンモニアリサイクラーを導入した畜産農家が、装置を臭気対策として用いるのみでなく、回収液を販売することで運転費用の軽減ができるよう、肥料公定規格を新設するための試験の内、本栽培試験では、植害試験と肥効試験を実施する。これらはリサイクラー回収液が植物に対する害作用を持たないこと、また市販の硫安と同等の肥効を持つことを確認するものである。【材料および方法】供試肥料として、当研究部内に設置したアンモニアリサイクラーで製造された硫酸アンモニウム水溶液を用いた。コマツナに対する植害試験には窒素含有量として5.80%(w/v)、肥効試験では6.56%(w/v)の液を用いた。対照として市販の硫安(窒素21.1%)を蒸留水に溶解し6.37%(w/v)としたものを用いた。[1.植害試験]対照肥料と供試肥料のそれぞれについて、次の@〜Dの試験区を設けた。@標準区(肥料公定規格)N-P2O5-K2O=25-25-25mg/ポット A標準量施用区N-P2O5-K2O=100-100-100mg/ポット B2倍量施用区Nのみ200mg/ポット C3倍量施用区Nのみ300mg/ポット D4倍量施用区Nのみ400mg/ポット [2.肥効試験]@N 0.5g/ポット(10kg/10a相当)供試肥料施用区 AN 0.75g/ポット(15kg/10a相当)〃 BN 0.5g/ポット(10kg/10a相当)対照肥料施用区 C N 0.75g/ポット(15kg/10a相当)〃 【結果および考察】[1]植害試験では、施用量により生育の優劣に変動が見られたものの、全体の傾向として、供試肥料と対照肥料の結果はほぼ同等と考えられた。どちらも、施用量の大きい区ほど過剰施肥の害により生育は同じように低下している。[2]肥効試験では、両肥料について収穫時の葉長と、地上部重はいずれも同等であり、作物体への窒素吸収も同等だった。このため、作物の生育促進効果としての肥効は、回収硫安液は市販硫安と同等であることが示された。3)以上の結果から、アンモニアリサイクラーの回収液は、植害作用、肥効のいずれについても市販肥料と同等であることが示された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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