【表題】 パーラー排水等;畜産排水の処理技術

【著者名】 猫本健司
【所属】 オー・アンド・アール技研有限会社
【発行年】 2005
【雑誌名】 北海道家畜管理研究会報
【巻】 40
【頁】 1−5
【要約】 「家畜排せつ物法」にも「管理の適性化」と「利用の促進」が唱えられており、”適切に処理する”目的の一つは、循環利用を促進して環境負荷を低減することである。このような視点から、演者は畜産廃水の処理技術について話題提供したい。畜産廃水の処理手段も、産業廃水処理に準じるが、大きく異なるのは、畜産では放流する水をキレイにするだけでは問題が解決しないということである。流出(空中+地表水+地下への環境負荷)を少なくすることが、結果的に循環利用を促進することにつながるのである。循環利用によって窒素負荷が少ない経営ほど収益は良い傾向がある(Hoshiba, 2001)。経営の中で循環できない場合でも、広域循環利用によって環境負荷は低減される(猫本ら,2003)。広い北海道における畜産の廃水処理に大切なことは、まず第一に循環利用を図ることを考え、どうしても循環できない場合の排水の浄化等を検討することである。一方、産業廃水処理の主流である活性汚泥法では、回収した汚泥の処理に困って焼却しているケースもあるのだが、畜産では、有機物をしっかり回収して再利用すれば、浄化処理自体が循環利用を促進することにつながる。畜産に適した浄化処理とは、有機物を「分解」するのではなく「分離」することである。したがって、畜産廃水処理を考える上で大切なことは、循環利用を図ることであり、循環させるために、浄化する、ばっ気する、発酵させる、といった視点で廃水処理を考えることが重要である。[各論]@堆肥場に屋根かけが義務づけられてから、降雨に伴う流出は少なくなったと思われるが、根釧農業試験場(1999)は水分が高い畜ふんを貯留し、れき汁の排出を促進する構造とした場合、水分減少量の3割がれき汁になると報告している。れき汁は液肥として有効であるため、耕地が広い北海道では耕地で循環するべきであり、流出もしくは揮散させないために、原料の1割程度の貯留槽を設けることが必要となる。Aパドックや待機場は可能であれば屋根を設けるのが望ましいが、小面積のものを除くとそれは現実的ではない。雨水・汚水の排水路を分離し、汚水を少なくすることが提言されている。Bミルキングパーラー廃水は、1日数トンにもなり貯留するのは合理的ではなく、肥料価値も低い。垂れ流している事例が少なくなく、浄化せざるを得ない排水の一つである。C最近構築された民間による特色ある事例として、膜分離活性汚泥法、オゾン処理法、電気処理法および凝集法が挙げられる。D排水処理にかかる経費は、生産原価の一部である。牛舎施設を更新する際には、パーラー排水の処理コストも含めて計画することが必要である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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