【表題】 肥料成分調整堆肥の製造と肥効特性

【著者名】 高橋朋子;関上直幸;鈴木睦美
【所属】 群馬県畜産試験場;群馬県中部農業事務所家畜保健衛生課
【発行年】 2011
【雑誌名】 群馬県畜産試験場研究報告
【巻】 18
【頁】 57−64
【要約】 (1.家畜ふんと食品かす混合堆肥)牛ふんはカリが多く、窒素が低い。また、豚ぷんは比較的肥料バランスは良いがリン酸がやや高い。そこで、カリ、リン酸が少なく窒素が多いコーヒーかす、茶かす、ビールかすとの組合せにより肥料成分を調整した。コンニャク飛粉はカリは高いが窒素も高いので混合資材として検討した。(2.家畜ふんと菜種油かす混合堆肥)食品かす混合堆肥では初期の無機化窒素が少ないことを改善するため、窒素成分の高い家畜ふんとして密閉型発酵装置で製造された発酵鶏ふん及び発酵豚ぷんを主体とし、食品かす類の中でも窒素成分の高い菜種油かすとの混合堆肥を製造し、その窒素無機化率を調査した。両試験における肥効特性を明らかにした。【材料および方法】(1)水分調整材オガクズの代替として乾燥した食品かすを用いた。牛ふんには、コンニャク飛粉、コーヒーかす、紅茶かすを1:1〜1:1.67の割合で混合した。豚ぷんにはビールかす、コーヒーかす、紅茶かすを乾物1:0.6〜1:0.8の割合で混合した。混合物の水分を約65%に調整し、20日毎に2回切り返した。10週間堆肥化した。(2)a発酵鶏ふん、b発酵豚ぷん、c牛ふん、およびd菜種油かすを原料として、a+d、b+d、a+b+c、a+b+c+dの混合堆肥を製造した。水分を約40%に調整し、2週目に1回のみ切り返し4週間堆肥化した。【結果および考察】(1)食品かすを家畜ふんと混合堆肥化すると窒素は牛ふんで2〜3倍、豚ぷんで1.1〜1.5培高くなった。これらを施用後1ヵ月以内に無機化する窒素は、堆肥を乾物で10a当たり1t施用したとすると牛ふんなどの場合で約2kg、豚ぷんなどの場合で約2.5〜3kgと少なく、作物の初期成育に支障がでることが懸念された。また、2〜3ヵ月目でも利用できる窒素は低いことが確認できた。これは食品かすの窒素成分は、加熱処理や焙煎処理等により変性し、分解されにくい窒素となっていることによると推測される。(2)菜種油かす混合堆肥の窒素無機化率は発酵鶏ふん、発酵豚ぷん単独は15〜20%であったものが施用初期から25〜30%となり、10a当たり堆肥を乾物で1t施用した時の窒素無機化量は10kg以上となった。このため、生育初期から窒素成分が必要な葉物野菜の栽培にも対応可能と思われる。菜種油かす多量に施用した場合のアンモニアガスによる生育障害を起こす可能性に留意する必要がある。菜種油かすを30%混合した堆肥の価格は、家畜ふん堆肥価格の約2倍となるため、有機栽培や、特別栽培など付加価値の高い作物栽培への利用が考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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