【表題】 堆肥連用における飼料作物の減化学肥料栽培及び土壌養分と作物成分の変化

【著者名】 佐藤拓実;高橋朋子;横澤将美
【所属】 群馬県畜産試験場
【発行年】 2012
【雑誌名】 群馬県畜産試験場研究報告
【巻】 19
【頁】 98−107
【要約】 肥料価格の高騰から、堆肥の肥料成分を有効に利用することが期待されている。しかし、堆肥を連用した圃場では、土壌中の窒素、カリの過剰から作物中の成分バランスの崩れが心配される。そこで、飼料用トウモロコシとイタリアンライグラスの二毛作体系において、堆肥を4年間連用し減化学肥料栽培による肥料コスト削減を図ると共に、土壌養分と作物中の成分変化を調査した。【材料および方法】表層腐植質黒ボク土の圃場において、堆肥より年間に予想される無機化窒素量および土壌残存堆肥からの窒素供給量を算定し、化成肥料を減じて栽培すると共に、堆肥施肥量と減化学肥料との適正量を確認するため、堆肥の年間施用量が1.5t、3t、4.5t、7.5tを設け4年間連用栽培した。基準施肥量:夏作N-P2O5-K2O=25kg-18kg-40kg/10a、冬作 〃=10kg-10kg-20kg/10aとした。堆肥はオガクズを副資材とした牛ふん堆肥を施用した。【結果】@ 4年間の窒素肥料削減率は、最大で1.5t区が夏作29%、冬作28%、3t区が夏作58%、冬作56%、4.5t区が夏作88%、冬作85%、7.5t区が夏作、冬作ともに100%であった。リン酸肥料削減率は1.5t区が夏作28%、冬作30%、3t区が夏作50%、冬作60%、4.5t区が夏作67%、冬作80%、7.5t区が夏作89%、冬作98%の削減率となった。カリ肥料削減率は1.5t区が夏作45%、冬作50%、3t区で夏作88%、冬作98%、4.5t区、7.5t区では夏作、冬作ともに100%の削減率となった。A 4年間の肥料コストは、夏作と冬作を合わせて1.5t区で30%、3t区で58%、4.5t区で69%、7.5t区で83%を化成区より低減できた。B 乾物収量は、両作物ともに1.5t区、3t区で化成区と同程度であるが、4.5t区、7.5t区では減少する傾向がみられた。C 土壌中の全窒素は、両作物共に堆肥施用量の増加に伴い増加した。作物の窒素吸収量は、冬作で堆肥施用量の増加に伴い減少する傾向がみられた。D 土壌中の交換性カリ(K2O)含量は、両作物ともに堆肥施用量の増加に伴い増加する傾向がみられた。作物中のカリは、夏作で堆肥施用量の増加に伴い増加する傾向がみられた。E 作物中のカルシウムは両作物とも4.5t区、7.5t区で減少し、作物中のK/(Ca+Mg)当量比は高くなる傾向がみられた。【考察】以上の結果から、堆肥を有効に利用するには、乾物収量、土壌養分、作物中のバランスから見ても、年間施用量3tまでが適当であると考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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