【表題】 土壌微生物活用による畜舎内アンモニア臭気の抑制効果(第1報)

【著者名】 南部奈津紀;村田文彦
【所属】 福井県畜産試験場
【発行年】 2011
【雑誌名】 福井県畜産試験場研究報告
【巻】 24
【頁】 29−34
【要約】 草地土壌や牛放飼場土等の臭気抑制能力を小型堆肥化装置を利用して調査したところ、草地土壌や牛放飼場土等の土壌量が増えるほど、アンモニア抑制効果が増加した。/これまでに、林地廃材等の木質系資材には優れた臭気吸着能力があることを確認している。そこで、畜ふん堆肥を多く施用されている草地土壌や新鮮ふん尿に常にさらされている牛放飼場土等の土壌は消化能力に秀でた微生物が多いと仮定し、木質系資材と土壌を敷料として供試し、土壌の臭気抑制能力を調査し、臭気抑制能力の高い土壌の添加量を検討した。【材料および方法】@臭気抑制試験T:小型堆肥化実験装置を用いた発生アンモニア捕集装置に、剪定枝などの林地廃材を2回粉砕機にかけ15mm程度に破砕した資材(以下、二次破砕材)とアンモニア発生源としての尿素100gを混合して厚さ20cm量を充填した。その上部に、供試土壌として竹林土壌、畜産試験場内で常時乳牛を放牧しているパドックの土壌(以下、牛放飼場土壌)、および堆肥を毎年散布している草地の土壌(以下、草地土壌)をそれぞれ厚さ10cm重層した。二次破砕材と供試土壌は各々最大容水量の60%水分に調整した。A臭気抑制試験U:発生アンモニア捕集装置に、二次破砕材を厚さ20cm量を敷き詰め、供試土壌として牛放飼場土壌、草地土壌を8、5、3 cmの厚さに重層し、試験Tと同様に行った。B牛床実証試験 C 硝化菌生菌数を調査し、硝化菌(アンモニア酸化菌AOB、亜硝酸酸化最近NOB)の集積培養と分離培養を行った。【結果】@ 竹林土壌、牛放飼場土壌、草地土壌における試験期間中の捕集NH4+-Nは極微量(開始3週間以降平均0.01mg/日以下)であった。試験終了時に小型堆肥化実験装置排気口で測定した発生アンモニア濃度は、対照区で1,000ppm以上、竹林土壌は2ppm以下、畜試内牛放飼場土壌、草地土壌は1〜0.5ppm以下であり、すべての供試土壌でアンモニア発生量が減少した。A 草地土壌、牛放飼場土壌とも、捕集総NH4+-N量は3cm土>5cm土>8cm土と、土壌量が増えるほど、保証されるNH4+-N量は減少した。C 終了時の供試土壌のNO3-N、NO2-N量は、牛放飼場土壌と草地土壌で著しい増加がみられた。臭気抑制能力は草地土壌>牛放飼場土壌>竹林土壌の順で高く、臭気抑制能力の高い土壌には、高いアンモニア濃度に耐える消化菌が存在していたことが明らかとなった。中でも草地土壌より消化能力の高いNOB 3株が分離されたことにより、牛舎試験での土混合式流出魚中のNO3-N濃度上昇は、臭気としてのアンモニアが硝化菌の一連の働きによって硝化された生成物となり上昇したものと考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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