【表題】 土壌微生物活用による畜舎内アンモニア臭気の抑制効果(第2報)

【著者名】 南部奈津紀;笹木教隆
【所属】 福井県畜産試験場
【発行年】 2011
【雑誌名】 福井県畜産試験場研究報告
【巻】 24
【頁】 35−39
【要約】 畜舎内のアンモニア濃度を低下させるため、二次破砕材と、室内試験で臭気抑制能力が確認された草地土壌や草地土壌からの土壌分離菌を混合して敷料として用い、豚床における臭気抑制能力を調査した。【材料および方法】@ 草地土壌を敷料に添加した実証試験:二次破砕材と草地土壌を2(210L):1(105L)の割合で混合し敷料として用い、肥育豚3頭を独立房(10u)で飼養して豚床における臭気抑制効果を調査した。対照区には二次破砕材とゼオライトを2(210L):1(105L)の割合で混合し、敷料として用いた。A 草地土壌より分離した土壌分離菌数株を硝化菌培養液体培地に混合接種し、培養液500ml(生菌数1.4×102個/ml)として、二次破砕材210Lに混合し、試験区の敷料として用い、肥育豚3頭を独立房(10u)で飼養し、豚床における臭気抑制効果を調査した。B 土壌の臭気抑制能力の解明:@、Aで供試した土壌混合敷料におけるNO2-N、NO3-N濃度を測定した。また、硝化菌(アンモニア酸化細菌、亜硝酸酸化細菌)の生菌数を測定した。C(1)土壌菌の単離と同定:草地土壌より分離した亜硝酸酸化能力の高い菌の内、No.3の単離を試み、その性状を検査した。(2)単離菌の臭気抑制と硝化能力の測定【結果】@ 試験期間中の平均発生アンモニア濃度は、草地土壌27.3ppm、ゼオライト区49.0ppmで、草地土壌区の発生アンモニア濃度がゼオライト区に比べ低下した(P<0.05)。A 試験期間中の平均発生アンモニア濃度は、菌添加区18.8ppm、菌無添加区36.8ppmで、菌添加区の発生アンモニア濃度が菌無添加に比べて低下した(P<0.05)。B 草地土壌を敷料に添加した試験後の敷料内硝酸態N量は草地土壌区がゼオライト区の11倍となったものの、草地土壌区の敷料内硝化菌数は減少した。土壌分離菌添加した敷料試験後の敷料内NO3-N量は菌添加区が勤務添加区の4倍となり、菌添加区の敷料内硝化菌生菌数は増加した。【考察】豚床における実証試験では、草地土壌を混合した敷料、草地土壌から分離した菌を混合した敷料において、約40日間敷料を交換せずにゼオライトを混合した敷料と同等以上のアンモニア区制効果がみられた。これらの敷料を堆肥化した場合には肥料効果の高い肥料となることが期待できる。C 消化能力の高い草地土壌より単離された菌株は、Bordetella petriiの嫌気環境でも生育し硝酸塩を脱窒する能力があるという報告と一致するが、16SrRNAの約95%相同性ではBordetella petriiであるとの確定はできない。さらなる解析が必要と思われる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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