【表題】 乾燥前後のEC差による堆肥の簡易腐熟度評価法

【著者名】 山田尚美;瀧澤秀明;増田達明;榊原幹男
【所属】 愛知県農業総合試験場畜産研究部
【発行年】 2012
【雑誌名】 愛知県農業総合試験場研究報告
【巻】 44
【頁】 125−130
【要約】 家畜ふん堆肥の腐熟度を判定するため、現物で測定したEC(電気伝導度)値と乾燥後に測定したEC値との差(以下、EC差)の利用の可能性について、乳牛と豚の畜種の異なる家畜ふんの副資材、通気量、水分など堆肥化処理条件を変え、堆肥化処理開始から112日後まで経時的に試料の現物と乾物のECを測定し、検討した。【結果】[1 牛ふん及び豚ふんの堆肥処理開始日と終了日の理化学性]@EC:開始日の牛ふんの現物ECは1.81dS/m、乾物ECは1.26dS/EC、豚ふんはそれぞれ2.71dS/m、1.52dS/mであった。なお終了日の牛ふんも豚ふんも乾物ECが現物EC共に2.06〜2.27dS/mの範囲にあった。ANH4-N濃度は、現物では牛ふん、豚ふんとも開始日で高く、終了日に低下した。一方、乾物では大きな差はなかった。B 終了日の有機物分解率は牛ふん44.2%、豚ふん44.9%とほぼ同じであった。[2 EC差と堆肥処理経過日数]@牛ふん:すべての試験区とも、EC差は日数の経過に伴い減少した。EC差と経過日数の相関係数は-0.675であった。A豚ふん:処理開始日から7日目まですべての区でEC差は増加傾向を示した。EC差と経過日数の相関係数は-0.770であった。[3 EC差とNH4-N濃度差]@牛ふん:EC差とNH4-N濃度差の相関係数は0.843であった。A豚ふん:EC差とNH4-N濃度差の相関係数は0.799であった。[4 EC差と有機物分解率]@牛ふん:EC差と有機分解率の相関係数は-0.824であった。一般に牛ふん、豚ふんの完熟堆肥の目安となる有機物分解率は40%とされており、この時のEC差は-0.08dS/mであった。【考察】堆肥の腐熟度評価法の内、堆積物の温度の確認は短期間に簡易・安価にできるが、直接、現物堆肥で計測しなければならず、堆肥の一部を採取して計測することはできない。コンポテスターは機器が非常に高価である。発芽試験は判定まで3日間を要する。有機物分解法は堆肥の分解度合いを知る大変有用な手段であるが、堆肥の調整段階での分析が必要であるなど、いずれの評価法とも現場での簡易な判定には問題がある。今回、筆者らが検討したEC差を用いた判定法は電気伝導率計を用いて測定することで、比較的安価で簡易に測定でき、有機物分解率のようにあらかじめ調整段階での試料も必要とせず、さらに、1点の試料は最低10gと少量である利点がある。しかし、乾燥処理に24時間を必要とするため、さらに検討が必要である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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