【表題】 廃棄乳の堆肥化技術の確立

【著者名】 福島正人;阿久津 充;木下 強;小池則義;田澤倫子;神辺佳弘
【所属】 栃木県畜産酪農研究センター
【発行年】 2012
【雑誌名】 栃木県畜産酪農研究センター研究報告
【巻】
【頁】 34−44
【要約】 【試験1】本試験では、廃棄乳に戻し堆肥を加えて水分調整し、廃棄乳の堆肥化特性について試験を行った。[材料および方法]@試験資材:場内で飼養している搾乳牛(ホルスタイン種)に乳房炎の治療を目的としてオキシテトラサイクリン製剤を投与した。投与翌日から3日目までの併せて3日分の廃棄乳を供試した。副資材として用いた戻し堆肥は、栃木県畜産酪農研究センター芳賀分場で慣行的に生産されている方法で行った。すなわち、場内に設置してある強制発酵施設(エンドレス型、ロータリー式)に生ふん(肉牛、豚、鶏の混合物)を投入し、毎日1回切り返しを行って約2ヵ月間堆肥化させた後、この一次堆肥を堆肥舎で高さを約2mに積み上げて、毎月1回切り返しを行い、約6ヵ月間二次発酵させた。その水分は49.6%だった。A堆肥化の条件および方法:廃棄乳と戻し堆肥を混合し、堆肥化開始の水分は60%とした。廃棄乳約110kgと戻し堆肥約295kgを混合した。混合方法は、あらかじめバケットに堆肥を適量入れておき、ここへ廃棄乳を流し入れ、約20分してから堆肥舎で撹拌・混合した。切り返しは毎月1回行い、堆肥化は約6ヵ月間行った。[結果および考察]@ 堆肥化中の温度変化は、堆肥化直後に60℃を超え良好な堆肥化が起こったが、その後切り返しを行っても温度が上昇することはなかった。今回は堆積規模が小さく放熱が多くなり、堆肥の品温が切り返しによっては高くならなかったものと考えられる。A 堆肥開始後、食品検査で陽性と判定されない程度だが、抗生物質が検出された。しかし、堆肥化1ヵ月目からは抗生物質は検出されなかった。【試験2】試験1では廃棄乳だけを堆肥化したが、酪農家で例えば100頭の搾乳牛の内10%(10頭)が乳房炎で出荷できない場合等と設定すると、畜ふんと廃棄乳の割合は5,000:250=20:1付近になることが想定される。従って、本試験では上記の割合で混合することで廃棄乳を堆肥化処理できるのか検討した。@試験資材:廃棄乳、戻し堆肥は試験1と同様のものを用いた。A堆肥化の条件および方法:廃棄乳約15kg+乳牛ふん尿300kgに対して、堆肥化開始時の水分が約60%になるように戻し堆肥を約1,700kg混合した。これを堆積させて毎月切り返し、6ヵ月間堆肥化させた。[結果および考察]堆肥化開始直後に温度が上昇し、50℃を上回ったが、それ以上は上昇しなかった。この要因は、副資材の戻し堆肥が多く、堆肥化設定の水分が低かったことが考えられる。大腸菌群数は堆肥化が進むにつれて減少し、6ヵ月目には検出されなくなった。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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