【表題】 牛ふんオガクズ堆肥の無機化の調査

【著者名】 福島正人;木下 強;小池則義;田澤倫子;神辺佳弘;松尾守展;阿部佳之
【所属】 栃木県畜産酪農研究センター;(独)農研機構畜産草地研究所
【発行年】 2013
【雑誌名】 栃木県畜産酪農研究センター研究報告
【巻】
【頁】 31−39
【要約】 前報(本データベース11442)では、牛ふんや生ゴミなどを堆肥化しペレット化したものを、土壌中にいれた場合(全面施用)と表面施用について、主に窒素の肥効率について調査したところ、ペレット堆肥においては、全面施用よりも表面施用の方が無機化率に高い傾向が見られた。また、他報では表面施用することで、作物の根の生育が良くなり糖度やビタミンCが高くなる傾向がみられていることから、堆肥の表面施用は、堆肥の流通を促進させる技術の一つになると考えられる。そこで本試験では、本県で盛んである酪農業から発生する堆肥を様々な条件でペレット化し、そのペレット堆肥を全面施用及び表面施用した時の肥効率について調査した。【試験1】異なった条件(原料堆肥のふるい目:2mm、5mm、10mm)の堆肥でペレット化した堆肥を用いて、無機化率の調査を行った。堆肥を全面施用及び表面施用のいずれの場合でも、より細かい"ふるい"にかけてペレット化した方が、全体的に窒素の無機化率が高い傾向がみられた。【試験2】ペレット化する際の水分が異なる(20%、25%、30%)条件で生産されたペレット堆肥の窒素の無機化率の調査を行った。堆肥を全面施用および表面施用のいずれの場合でも、堆肥中の含有水分が高い方が低い場合よりも窒素の無機化率が高くなる傾向がみられた。【試験3】試験1及び2では、畑状態保温法により分析した結果であるが、現場での施用を考えた時、堆肥が常時30℃、最大容水量60%の条件下にあることはない。そこで、当所の圃場に堆肥を施用し、堆肥の分解の動態について調査した。試験1及び2の堆肥(2mm区、5mm区、10mm区、20%区、25%区、30%区)を用いた。ペレット堆肥は圃場に施用した場合の膨張性や分解率などでは、ふるいや水分などペレット化の条件による差は見られなかったが、全面施用と表面施用では差が見られた。【総合考察】無機態窒素の有機化が生じている可能性が考えられた。本試験の結果、表面施用の場合、施用1週目にかけて急激に分解するが、土壌施用の場合、施用1週目と施用8週目から16週目にかけて分解がみられた。表面施用は窒素肥効を求める場合には有効な施肥方法の一つと考えられる。一方で、土壌中に施用する場合は、いわゆる一般的な堆肥の効果である緩効性の窒素が期待でき、併せて土壌中で炭素が分解されることから表面に比べて土壌の生物学的な改善も期待できると考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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