【表題】 地域内未利用資源の効率的循環利用の開発(第1報)

【著者名】 水野一郎;澤口和宏;武内徹郎
【所属】 徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究所
【発行年】 2011
【雑誌名】 徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究所研究報告
【巻】 10
【頁】 74−77
【要約】 堆肥化副資材の代替および地域未利用資源の効率的循環利用を目的として、梨の剪定枝を利用した堆肥化について検討した。【材料および方法】剪定枝は、本県果樹研究所で12月から1月にかけて剪定・チップ化したものを用いた。剪定枝の分解特性を把握するため、家畜ふんは、副資材を含まない乳用牛ふん(N区)、及び採卵鶏ふん(K区)を用いた。堆肥化開始時における水分率が50〜60%となるようにそれぞれ混合、調整を行った。なおK区には、試験開始時及び2、4、6週目に堆肥化時における水分率が55%となるように加水を行った。堆肥化は両区とも内側側面に断熱材を貼付した300Lのポリ容器を用いて、底面より50L/?・分の通気を行う通気堆積発酵処理方式で2ヵ月間堆肥化試験を行った。なお、切り返しは週1回、4週目以降は2週毎に実施し、8週目で試験終了とした。【結果】@堆肥化における品温の推移:N区、K区とも調査開始時から順調に温度上昇が認められた。N区では堆肥化開始3週目以降急激な温度変化は見られなくなったが、試験終了直前に温度上昇が認められた。K区では切り返し毎に50℃以上の温度上昇が確認され、6週目以降も急激な温度上昇が認められた。AECの推移:ECはN区、K区とも、試験開始から2週目までは減少傾向にあったが、それ以降は穏やかに増加し、試験終了時にはN区で2.8mS/cm、K区では4.1mS/cmとなった。B N区では3週目に9.7とピークになり、以降減少する傾向を示した。K区は、N区よりも低温で推移した。C アンモニア態窒素の推移:N区では試験開始時の257.6mgをピークに減少、2週目には12.5mgとなり、試験終了時には1.2mg/100mgとなった。K区では試験開始時に814.7mgとなり、以降徐々に減少傾向を示し、試験終了時には154.5mg/100gとなった。D 有機物の残存率(堆肥化による窒素の放出率を示したもの。値が低いほど窒素が多く大気中に放出されたことを示す)の推移:N区、K区とも3〜4週目までは発酵に伴い急激に減少する傾向にあったが、その後緩やかに減少し、試験終了後のN区の残存率は58%、K区の残存率は48%となった。【考察】本試験における品温の推移、アンモニア態窒素の推移から判断して家畜ふんの分解がほぼ終了したと考えられることから、梨剪定枝の乾物分解率は乳牛ふんの場合で34.3%、採卵鶏ふんの場合39.7%と算定された。オガクズの乾物分解率は10%程度であることから、一年枝が主体である梨剪定枝は堆肥化可能であり、比較的分解されやすい資材であると考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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