【表題】 家畜分の処理技術改善に関する研究 第1報 ビニールハウス堆肥舎におけるハエ・悪臭の防除試験

【著者名】 森口藤雄;三代伍朗
【所属】 徳島県肉畜試験場
【発行年】 1984
【雑誌名】 徳島県肉畜試験場研究報告
【巻】 12
【頁】 44−50
【要約】 当場では施設経費の節減と燃料等の維持費の解消、および促成堆肥化をねらいとしたビニールハウス堆肥舎を開発し、その使用技術の確立を検討した。今回はまずその第1段階として悪臭と害虫(ハエ)の発生防止等について検討した。【試験方法】@堆肥舎施設 ◆従来型:ブロック建スレート葺舎 100u ◆ビニールハウス型:下部3方ブロック壁上部鉄骨ビニール張り,カマボコ型,正面5m×奥行10m×棟高4m,2棟。A堆肥材料:当場で排出される豚生ふん及び肉牛のオガクズ敷料混合ふん尿 (各半量程度)B処理量:1日平均1.0? 【結果および考察】@ 従来型とビニール型の両堆肥舎を比較するとビニール型は従来型に比べ、生ふんの乾燥が早く、悪臭も少なく、堆肥化が早い。A ハエの生息状況を畜舎施設毎にみると、豚房施設や堆肥舎からの遠近よりも、床・溝等が湿潤でしかも飼料が散在している等の要因の有る所に多く寄生していた。B ビニール堆肥舎では温度上昇が高く、外気温が35℃以上になると、ハエの寄生はみられなかった。C ハエの発生は春秋季では、外気温18℃がある程度の基準となり、それ以上になると多く、それ以下になると次第に減少した。D 幼虫(ウジ)の発生は、ビニール舎では極めて高温時には堆肥中より脱出する傾向がみられた。E 従来型堆肥舎では、生ふんにはハエが多く発生したが、オガクズ混合ふんには発生が少なかった。F ハエ駆除の効果は、堆肥切り返し法では堆肥の高温化を促進しハエの発生を抑制した。切り返し時の水分調整は、80%では効果なく、少なくとも65%程度に下げる必要がある。G 薬剤・器具によるハエ駆除法は、それぞれ特徴があり、効果を発揮するが、畜舎においては広範囲であるため、経済性・省力化・人体への感作減少等が問題になる。H 生ふんの悪臭防除は、水分65%以下にしたものを切り返し、発酵熱65℃以上にすれば堆肥化が進み悪臭は堆肥臭化していく。I 生化学脱臭剤は生ふん混合撹拌時に散布すれば第2次切り返し時には効果が表れていて、悪臭は無くなり、堆肥臭化している。これらは、ビニール堆肥舎で特に効果が促進される。【まとめ】従来型の堆肥舎は内部が暗く、効率が悪く、ハエの発生源になる場合もあった。これに対し、当場で開発されたビニールハウス堆肥舎において以上の効果が判明した。特に夏季においての豚ふん処理は2日以内にできるだけ低水分にし、しかも切り返し回数を重ねて高温度発酵にすることが、ハエの発生と悪臭を抑制する上で重要なことが分かった。この堆肥舎は太陽熱利用による水分蒸発、高温保持に特徴があり、高熱費不要や、施設費が安い等の経済的利点もある。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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