【表題】 畜舎及び糞尿処理施設の脱臭装置の開発

【著者名】 服部 旦;新居雅宏;森 直樹
【所属】 徳島県肉畜試験場
【発行年】 1993
【雑誌名】 徳島県肉畜試験場研究報告
【巻】 21
【頁】 47−66
【要約】 最近、大規模畜産事業所でふん尿を同時に処理できる急速発酵処理施設が、事業所からふん尿を排出しない、水処理よりより施設費、ランニングコストが安い等の理由で多く設置されている。しかし、施設の管理が良く、発酵の状態が良い程、好気性の発酵臭が発生し、これが悪臭公害の原因となっている。今回、この発生する悪臭を処理施設から出さず、ブロアーで吸引し、タンク内で泡の層を通過させ脱臭する装置を開発した。【装置の概要と消臭方法】この装置は、タンク(酪農用の10tサイロ)内に発泡剤を溶かした水溶液を入れておき、この液中にブロアーで悪臭を吹き込むことにより、悪臭を含んだ微細な泡の層を作り、悪臭ガスとの接触面積を広くしかも長時間接触させることにより消臭させる装置である。特にアンモニア等水溶性のガスの消臭に効果がある。高価な薬剤を使用することなく安価な発泡剤で消臭でき、タンク内の液面が低い(30cm)ので低出力のブロアーでも発泡が起こる。装置は安価であり、処理液の量が少量であるので、廃液処理が少なくてすむ。堆肥、豚舎等悪臭源からブロアーで悪臭を吸引し、タンク内の発泡剤を0.1%含んだ処理液中に吹き込むと、発泡管から発泡が始まりタンク内に泡が充満し消臭する。処理液の交換も含め、自動運転を実施している。【消臭試験】試験は、当場の堆肥舎で行った。当場では、牛50頭、豚350頭のふん尿をエンドレスタイプの急速発酵処理を行っており、尿も同時処理するため大量の悪臭ガスの発生がある。【結果】@ 発泡剤の適正濃度については、0.11%で22分で泡がタンク内に充満し、排出されるアンモニア濃度も10%以下になっている。A タンク内に泡が充満した発泡状態では90%以上の処理ができる。発泡が少ないとタンク内に悪臭の近道ができ、充分処理できないことがある。このようなことは、発泡剤の不足、劣化、及びpH値の上昇により起こり、発泡が少ない程処理率は低下する。B 悪臭防止法で規制されている12物質を測定したところ、アンモニアが主な悪臭原因物質となっており、これは97%処理されていた。C 酸性消臭剤、工業用硫酸を処理液中に添加した場合、泡の層が比較的少ない場合でも処理率は良好で安定していた。より高濃度のガスにも対応できると思われる。D 780ppmのアンモニアガスを30分吹き込むと処理液のpH値が上昇し、アンモニアガスが溶解しにくくなった。処理液を交換することにより再度処理率は回復する。また、pHセンサーを設置し定量ポンプでpH値を調整することも有効な手段と考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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