【表題】 畜舎及び糞尿処理施設の脱臭装置の開発

【著者名】 ;新居雅宏;森 直樹
【所属】 徳島県肉畜試験場
【発行年】 1994
【雑誌名】 徳島県肉畜試験場研究報告
【巻】 22
【頁】 39−42
【要約】 最近、大規模畜産事業所でふん尿を同時に処理できる急速発酵処理施設が、事業所からふん尿を排出しない、水処理よりより施設費、ランニングコストが安い等の理由で多く設置されている。しかし、施設の管理が良く、発酵の状態が良い程、好気性の発酵臭が発生し、これが悪臭公害の原因となっている。今回、この発生する悪臭を処理施設から出さず、ブロアーで吸引し、タンク内で泡の層を通過させ脱臭する装置を開発した。これまで発泡タンクはFRP製のサイロを利用してきた(本データベース11456)が、大きさが限定される上、高価であるため、今後の普及性、設置価格等を考慮して、発泡タンクを角パイプで補強したビニール製の立方体のものにした。また、今回はタンク容量を125?(5m×5m×5m)、ブロアー能力を50?/minとそれぞれ大きくし、悪臭の大量処理への対応を試みた。【試作内容】消臭タンクを少しでも増やすため、悪臭を吹き出し泡を発生させる発泡液槽を地面より低い位置に設置した。消泡装置への泡の導入部はタンク最上部横とし、悪臭を含んだ泡はここから消泡装置で消泡剤を噴霧される。消臭された空気は排出口から5mの中空に排出される。消泡装置にはモーターがあり、消泡液を循環している。このモーターは制御盤からブロアーとともに自動制御されている。【結果】ビニール製の発泡タンクは十分使用できるものと思われたが、設計において、今回の試作品から表面化した次の問題点に注意する必要がある。@ タンクいっはいに泡が充満しにくい(高さに対して面積が広すぎた)A 発泡状態が持続しない。(@に起因するが、発泡剤の更新ができず、すぐにpHが上昇する)B悪臭の処理量はブロア−能力の30%以下である。C アンモニアは高温になるほど水に溶解しにくくなる。透明ビニールは内部が高温になり、脱臭効果の低下が予想されるので、その対策を講じる必要がある。【まとめ】ビニールを利用した発泡タンクについては、初めての試みであり、また、大型のものを試作したため予想しなかった欠点がみられた。そのため、今回の構造、大きさでは、期待したほどの機能は得られなかった。しかし、今回の結果から、体積を少なくすれば、耐久性も含めて十分実用性のあるものと考えられた。処理能力については、短期間で大量処理を行おうとすれば、現在の発泡機構を続ける限りそれほど大きな向上は望めないと思われる。仮に大型ブロアーにより送風量を多くしても一定期間の泡との接触時間を確保しなければならず、発泡タンクの形や構造を含めて更に検討が必要になると思われる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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