【表題】 ブドウ搾り滓を活用した家畜排せつ物の堆肥化および環境負荷低減化技術の開発(第3報)

【著者名】 菊嶋敬子;片山 努;赤尾友雪;望月 洋;渡辺富好
【所属】 山梨県畜産試験場
【発行年】 2011
【雑誌名】 山梨県畜産試験場研究報告
【巻】 56
【頁】 26−32
【要約】 平成19〜20年度に場内の堆肥化施設を利用し、ブドウ搾り滓を豚ふん重量の2割加えて実証規模の堆肥化試験を行ったところ、豚ふんのみの堆肥化時に比較して、アンモニア、硫黄化合物および低級脂肪酸について発生が抑制される傾向が得られた。今年度も実用規模での豚ふん堆肥化時の悪臭低減化技術を実証するため、引き続き場内の堆肥化施設で実証試験を行った。【材料および方法】[試験1]@ 対照区(豚ふん区):豚ふん2,000kg/試験区(カバー区):豚ふん:ブドウ搾り滓=2,000kg:400kg(試験区は豚ふんにブドウ搾り滓をかぶせ、1回目の切り返し時に混合。水分調整材として各区にオガ屑約50kgを添加。ブドウ搾り滓はバンカーサイロ内で常温保存されていたものを使用)A試験期間:平成21年8月12日〜10月7日 B切り返し間隔:設置後約2週間で1回目の切り返し。その後は随時切り返しを実施。[試験2]対照区(豚ふん区):豚ふん2,500kg/試験区(カバー区):豚ふん:ブドウ搾り滓=2,500kg:500kg(試験区は豚ふんにブドウ搾り滓をかぶせ、1回目の切り返し時に混合。水分調整材として各区にオガ屑約60kgを添加。ブドウ搾り滓は場内堆肥舎で約90日間常温保存されていたものを使用)A試験期間:平成21年12月1日〜22年1月13日 B切り返し間隔:設置1週間後に1回目の切り返しを実施。その後は概ね2週間毎に実施。[3.ブドウ搾り滓の保存性試験]絞った直後のブドウ搾り滓を約500kgを平成21年10月15日に入手し、ブルーシートで被覆して45日間保存し発酵させた。【結果および考察】@ 試験1、試験2とも、堆肥中心部の温度は70℃以上に上昇しており、ブドウ搾り滓添加による発酵過程の阻害等は見られなかった。また、時間の経過と共に、中心部温度は試験区の方が高く推移していた。この理由としては、豚ふんをブドウ搾り滓で被覆し、1回目の切り返し時に撹拌したために、さらなる発酵が進んだものと推測される。A 堆肥表面からのアンモニア発生量は、試験区の方が少ない傾向を示した。B 堆肥の切り返し中の低級脂肪酸発生量は、試験区の方が少ない傾向を示した。また、4種類の低級脂肪酸の中で、豚房特有の酪酸の発生が最も多かった。C ブドウ搾り滓の保存性試験:堆積後次第に温度が上昇し、10日目から約1ヵ月間34℃前後を推移した。ブドウ搾り滓の表面は乾いたものの、カビ等は生えることはなく、内部も水分が保たれていた。D 豚ふん堆肥にブドウ搾り滓を重量比2割混合することによる悪臭低減効果の再現性のあることが明らかとなった。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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