【表題】 毛管ろ過式浄化槽による豚のふん尿処理試験(完了)

【著者名】 伊東芳夫;鶴田正義;原 祐義;石橋 明;吉木忠彦;竹下民夫;菱岡 守
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 1978
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 14
【頁】 1−19
【要約】 好気性微生物による酸化分解作用は高く評価され、その代表として活性汚泥法があげられる。しかし、好気性微生物が多数棲息する薄層土壌を利用した処理法は「目詰まり」による浄化効率の低下から、いまだ広く利用されていない。しかし、微生物の棲息しやすいろ材の選定、及び汚水中のSSを土壌導入前に出来るだけ除去すれば、目詰まりをなくし活用できると判断したので、し尿処理に利用される毛管ろ過式浄化法を採用した。昭和46年から3年間は構造について検討した。48年処理施設を新設し、浄化能力について検討したが当初は設計値より劣った。原因は、毛管ろ過床に与える汚水の高負荷と思われ、49年に前処理槽、毛管ろ過床の改善をした。その後4年間、浄化能力、耐久性について検討した結果、4年間を通し高い浄化効率が得られ、基準値以下で放流できた。以上のことにより、毛管ろ過式浄化槽の浄化能力はBOD 98.1%、SS 99.2%、COD 87.7%、NH4-N 91.7%、Alb-N 98%前後の除去効果があると思われる。また、冬季の浄化能力の低下が若干認められたが、それほど問題にはならなかった。【毛管ろ過式浄化槽の特徴】@ 浄化能力が高い:他の土壌処理方式などの様な目詰まりもなく、活性汚泥処理法等と比較しても劣らぬ浄化能力が得られる。A 脱臭、脱色効果がある:土壌中の硝化菌の働きにより、NH4-NをNO3-Nに変化させるので脱臭効果があり、また、有機物の分解により脱色効果がある。B 施設の構造が簡単であり、保守点検が容易である:貯留槽、固液分離機、沈殿槽、毛管ろ過床の簡単な組合せであり、機械も汚水ポンプ2台であり、故障もほとんどない。C 自動運転型のため、日常の運転操作に人手を要さない。D他の汚水処理方法の様な、冬季の浄化能力の低下はほとんど認められない。NH4-N、COD浄化能力が若干劣る程度である。【適用条件は】@ 1頭当たり、約2uの面積が必要で、その内、毛管ろ過床が1u必要である。活性汚泥法などと比較して土地面積を広く要するので、立地条件を考慮する必要がある。また、NO3-Nが多量放流されるので放流先の選定も必要である。A 小規模に適する:面積を広く要するので大規模経営は困難である。B ふん尿分離が望ましい:毛管ろ過床が浄化できる限界はBOD 85%、SS 76.5%前後と思われるので、前処理からの汚水濃度が高いと、負荷がかかり浄化能力が低下するので、放流先の規制が厳しい所では問題である。また、目詰まりを起こすことも考えられる。C1頭当たり、44Lの希釈水が必要である。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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