【表題】 液状ふん尿の急速腐熟化処理と利用試験

【著者名】 伊東芳夫;中山雅祺;吉木忠彦;土井克彦
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀県畜産課
【発行年】 1982
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 18
【頁】 36−46
【要約】 佐賀県平坦水田酪農地帯においても、自然流下式処理方式を採用している畜舎が相当数分布しており、これらの多くは現在自分の土地へ廃棄している状態である。その主な原因としては、適切な処理法が確立されていないため、悪臭が発生すること、その搬送が困難であり、また搬送機械につまり易いこと。土壌に浸透しにくいこと、成分が不安定であること。および雑草の種子、病原体などの混入があることなどがあげられる。これらの害を取り除き円滑な土地還元利用を促進するため、強力撹拌ばっ気による急速腐熟化処理試験を行った。【使用機械】・吐出型水中ばっ気レーター1.5kW:空気量29?/hr ・移送ポンプ(水中型)0.75kW:揚水量0.3?/min ・移送ポンプ(地上型)22kW:揚水量0.48?/min ・消泡機0.75kW 【結果および考察】@ 吐出型ばっ気ポンプにおけるばっ気量、投入液濃度を比較試験した結果、ばっ気量はトン当たり4.8?/hr前後、投入液の濃度は含水比1.200%(ふん1に対し尿1.8)が液温の上昇度合いが高く効果的と思われ、自然流下式の液状物処理への応用が出来ると思われる。A ばっ気により、液温の上昇、pHのアルカリ性への変化、脱臭化、沈殿物の減少、固形物の細粒化、有機物の減少、剥離現象の発現、含水比の上昇による液化及び全炭素、全窒素、CN比の減少が認められた。B 肥料成分としては、45日間処理後にN:0.13%、P2O5:0.18%、K2O:0.38%(原物当たり)となった。窒素に比べ、カリが多いので施用上注意を要する。C 処理液は悪臭の再起が認められたので、処理液貯留槽でのばっ気が必要と思われた。D 吐出型ばっ気ポンプの限界能力は含水比1,200%程度と思われ、吐出型より放射型の方が液温上昇効果は高いと思われる。E 移送ポンプは高濃度液の移送を行うので、固形汚物用水中ポンプよりスラリー液用水中ポンプの方が望ましい。F 消泡機は泡切り専用なので出力0.4kW前後で対応できると思われる。G 液状物の完熟は70日間の処理でも難しいと思われるが、各種成分、形態の変化等から判断し、45日間処理でもよいと思われた。H 省力的な処理方法であるが、経費面では改善を要する。I さらに、処理液の施用法が確立されていないこと。還元する土地が限られていること等利用上の問題も多く残されている。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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