【表題】 牛ふんの急速堆肥化処理と利用試験

【著者名】 吉永直哉;中山雅祺;吉木忠彦;土井克彦;下平秀丸
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀県畜産課;佐賀県中部家畜保健衛生所
【発行年】 1982
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 18
【頁】 47−64
【要約】 通気(リングブロア200V、0.28kWから堆肥盤中央の溝にはめ込んだ直径40mmの送風パイプに50mm間隔で開けた直径6mmの穴から)による好気性発酵により、牛ふんの腐熟を促進させ、品質の安定した流通きゅう肥の生産を図ることを目的として、試験検討を行った。【T 最適発酵条件】試験方法 (1) @ 自然流下方式の乳牛ふん尿を固液分離した固形物(含水率81〜83%)に発酵ふん(含水率45〜50%)で水分調整用した。A 水分60%に調整した牛ふんを発酵槽に2?(1m高)堆積し、送風量を20、50、70、100 L/?・minの4区に分け発酵状態をみた。(2)@ 材料は(1)と同じ。A 水分65、70%に調整した牛ふんを2?(1m高)堆積し、各々0、20、50 L/?・minの送風を行った。[結果]初期含水率60〜70%では、堆積物1?当たり20 L/min の送風が適当であった。【U 間欠的送風方法】発酵初期、品温の立ち上がりに必要な空気量を2〜3日連続送風すれば、その後3日に1日の割合での間欠送風による発酵が可能であった。また、消費電力は、間欠送風を行うことにより、連続送風に比べ、半分以下に低減することが可能である。【V 送風発酵に伴う各種成分変化】(1) 牛ふん堆肥物(木質資材を混合しない場合)@ 含水率の低下、重量減少率は50L送風区が最も大きく、送風による水分蒸散促進効果が認められた。A 化学組成の面からは、堆積40日までの粗灰分の増加、炭素率、還元糖の減少等の成分変化が著しく、特に、20L送風区で最大であった。また、化学成分の分析値で、送風区の40日が無送風区の80日以下に相当し、2倍強の速さできゅう肥化が進んだ。しかし、リグニンはいずれの区においても80日間を通してほとんど変化が認められなかった。(2) 木質資材混合牛ふん堆積物(チップ屑)@ ふん及び木質の重量比1:1.25(65%)では、発酵温度推移は対照区(無送風)の方が高位かつ安定的であった。反面、木質物混合比の小さい試験区では、送風区が活発な発酵を継続した。A 木質混合比の大きい試験区ほど水分減少が大きかった。B 易分解性物質は18週間の堆積でほぼ分解したと思われるが、木質物は元の形状を保ち、18週間の堆積では分解不充分であった。【W 成牛30頭の水田酪農農家における牛ふんの急速発酵処理技術体系化の現地実証試験】@ 実用規模堆肥舎での送風機は堆積1?当たり50〜100L/minの吐出能力が必要である。A 送風管の配管間隔は50〜80cmが適当である。B 送風に要する経費は間欠送風により1/2以下に軽減でき、堆肥1t当たり1,622円であった。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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