【表題】 家畜尿処理における固定ろ床材の探索−ろ材を用いた畜舎廃水の処理−

【著者名】 江口順英;馬場元司;石橋英二
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 1994
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 29
【頁】 32−34
【要約】 家畜の汚染水は窒素とリンの濃度が高い。これらを同時に十分除去するため、廃材及びセラミックスを用いた浸漬ろ床法による処理効果、及び活性汚泥法と浸漬ろ床法を組み合わせた処理効果について検討した。【材料および方法】[試験T:浸漬ろ床法] @供試汚水:豚舎排水にふんを混合し、0.5mmのメッシュを通したものを水で希釈して使用した。A供試ろ材:ろ材として、かき殻、素焼き、セラミックス、乳酸飲料ポリ容器、木炭を用いた。また、運転条件を同じくした活性汚泥処理区を設けた。[試験U:活性汚泥法(1次処理)+浸漬ろ床法(2次処理)]@供試汚水:試験Tと同じ条件で調整した。A供試ろ材:2次処理の浸漬ろ床法におけるろ材は、セラミックス、かき殻、木炭を用いた。【結果および考察】[試験T]BODの除去率は全区で99%以上と高い除去率が得られた。T-Nの除去率は乳酸ポリ容器がセラミックスの60.1%に対し74.7%と良好な成績であった。しかし、本試験における窒素濃度はBOD:T-Nで100:14と羽賀らの報告(1989)より低い数値となっており、一般的な畜産農家の排水の対しても十分な除去効果があるとは言えない。NH4-Nは高率に硝化され全ての処理区でほとんど検出されなかった。T-Pの除去率はセラミックスがかき殻の55.5%に対し74.4%と良好な成績であった。これはろ材中のカルシウムがリンと結合したためと考えられる。しかし、セラミックス区においても排水基準の一律基準を満たせなかった。試験Tにおける問題点として、汚泥によるろ材の目詰まり、余剰汚泥の引き抜きに問題があった。[試験U]BODの除去率は1次処理とした活性汚泥区で99%以上と高い除去率であり、ほとんどの有機物が除去されるため、試験Uにおいては試験Tにおけるろ材の目詰まり等の問題は解消された。また、2次処理では木炭区においてCODの除去率が高かった。T-Nにおいては、試験Uにおける1次処理が除去率88.7%であり、試験T(65.8%)と比べ高い結果となった。これは試験Uにおける1次処理を好気、嫌気を繰り返す間欠ばっ気方式にしたことにより、硝化、脱窒が行われたためと考えられる。2次処理においてNH4-Nの酸化、T-Nの減少傾向が認められた。T-PにおいてもT-Nと同様に試験Uにおける1次処理の除去率が75.6%と、試験T(61.7%)に比べ高い結果となった。2次処理においては試験T同様にセラミックス区が良好な傾向を示した。今後、より高濃度の窒素、リンの供試汚染水、低水温、BOD負荷等の条件における検討が必要と考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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