【表題】 豚尿処理水を用いた養液栽培技術の開発(第5報)−高次処理システムによる品種選定試験−

【著者名】 脇谷裕一郎;田中宗浩;春木 真;坂井隆宏;小島孝之;岩永致悦
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀大学農学部
【発行年】 2004
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 40
【頁】 47−49
【要約】 前年度の試験(本データベース8028)において、豚尿汚水処理施設に附帯した水質浄化高次処理システムの開発を目的として、葉菜類・果菜類・ハーブ類による栽培試験を行った結果、水路形式の高次処理は可能であることが確認された。本報では植物品種をさらに選定するため、サトイモ等の野菜を利用して、豚尿処理水を用いた施設水質浄化および栽培試験を行った。【材料および方法】@ 栽培装置として、汚水処理施設に附帯したビニールハウス(5×9m)内に、4本の角形雨樋(容量約0.15?:25.7×15.0×400cm)を並列に設置し、固形培地としてイソライト(セラミックス土壌改良材)を充填した。雨樋端部には汚水投入口を設け、反対側に排水口を設置し、余分な処理水はオーバーフローで排出される水路形式とした。A 処理水の投入速度は500mL/分とした。B 供試植物として、ラディッシュ、サトイモ、シュンギク、レモンバーム、イネ、ダイズの6種を用いた。【結果および考察】@ ラディッシュ、サトイモ、シュンギクは黄化枯死せず成長することが確認されたが、レモンバーム、イネ、ダイズは成長障害が発生し、特にイネはほとんど成育できなかった。成長した品種において、特にサトイモの生育が良好であった。A 投入時よりも排出時において、濃度の減少が確認されたのは、BOD、COD、硝酸性窒素(以下、NOx-N)SS、MgOであった。特に、BOD、NOx-N、SSの減少が顕著であった。B 前報同様、豚尿汚水処理施設において間欠ばっ気を行ったため、投入NOx-N濃度は、58.4〜67.0mg/Lと低い値となり、約半数の野菜類の生育が良好ではなかったのは、このことが原因と考えられる。C しかし、サトイモは生活排水処理水を利用した高次処理において、40mg/Lの低窒素条件においての成長および浄化が確認されており、畜産廃水処理水においても、同様の結果が得られたことから、高次処理の品種として十分利用可能であることが示唆された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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