【表題】 光触媒シリカゲルを利用した家畜尿汚水処理水脱色技術の開発

【著者名】 脇谷裕一郎;一ノ瀬弘道;日野暢也;楊健;瓜生喜章;坂井隆宏;岩永致悦
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀県窯業技術センター;(有) ダイヤカセイ;ピタテック(有)
【発行年】 2004
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 40
【頁】 54−58
【要約】 光触媒シリカゲルを利用した脱色装置を試作し、汚水処理水脱色の有無の検討を行った。試験は、家畜尿汚水処理水脱色に適した光触媒シリカゲルを選定するため、細孔径の異なる3種のシリカゲルに対し酸化チタン塗布材料コーティングをディッピングし、紫外線(UV)ランプ供試下での室内試験を行った。次に、室内試験で最も脱色能力の高かったシリカゲルを利用して、自然光での脱色の可能性を確認するため、光触媒シリカゲルを利用する野外用脱色試験装置試作し、試験を行った。【材料および方法】@ 供試シリカゲルの直径は30〜80mm、細孔径がA:30〜60オングストローム、B:60〜80オングストローム、C:300オングストロームの範囲の3種を供試した。A 室内試験装置は、装置本体の反応塔にUVランプ(殺菌灯)10Wを6本設置した。試験はサンプルを反応塔に循環させ、供試量1L/回、使用光触媒シリカゲルは420g、照射時間8時間、循環速度100mL/分の条件で脱色比較試験を行った。B 野外用脱色試験装置は、光触媒シリカゲルを光触媒接触部に1kg投入し、受液タンクに供試処理水8L投入後、循環ポンプにより装置を300mL/分で循環させながら自然光による光触媒反応から、脱色能力の調査を行った。C 供試処理水は、佐賀県畜産試験場豚尿汚水浄化処理施設(10?/日処理規模)に対してばっ気処理を行った後、沈殿処理を行った上澄み液を用い、色度80〜180に範囲に調整して試験を行った。D 試験時間帯は9:00〜17:00とし、2時間毎にサンプルリングを行った。【結果および考察】[室内試験] 細孔径が最も大きいシリカゲルCにおいて高い脱色能力が確認され、脱色の目安となる色度50以下に約320分で到達したことから、Cを野外試験に供試した。[野外試験]@ 夏季には色度180以下の範囲において、4時間以内に色度150以下に低下した。CODについても同様に低下したが、色度ほどは顕著ではなかった。理由として、色度成分はCODの成分であるが、色素が分解して他のCOD成分が生成したことが考えられる。A pHは時間と共に減少する傾向が確認されたが、ECは変化が確認されなかった。B 秋季においても、夏季同様に試験の経過と共に成分除去が確認されたが、夏季ほど顕著ではなく、色度120程度の除去が限界であった。pHとECは夏季と同様であった。C 今回の試験において、紫外線強度の高い夏季条件下であれば、色度180以下、秋季条件下においても120以下の顕著な脱色が確認されたことにより、自然光による家畜尿汚水処理水の脱色の可能性が確認された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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