【表題】 活性汚泥曝気方式による脱臭法の検討(第3報)−活性汚泥液の窒素蓄積抑制−

【著者名】 坂井隆宏;脇谷裕一郎;岩永致悦
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2004
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 40
【頁】 59−63
【要約】 前報(第2報:坂井隆宏ら:佐賀県畜産試験場試験研究成績書(2003)39号、99-104)で、活性汚泥曝気方式による豚ふん堆肥化時に発生する臭気の脱臭において、活性汚泥液に高濃度のNH4-NやNOx-Nが蓄積する課題が残された。さらに、微生物の分解活性を低下させることになることから、液の一部を交換する必要が出てくる。そこで本試験では、活性汚泥曝気方式での活性汚泥液の窒素成分蓄積を抑制することを目的として、少量ずつ定期的に活性汚泥液と農家にも豊富に存在する尿汚水を交換することによって、活性汚泥液の利用期間の利用期間の長期化に努め、活性汚泥曝気脱臭の運転性能の安定化の検討を行った。【材料および方法】脱臭に使用した活性汚泥液を4週間に1回、1/4ずつ固液分離後の豚尿汚水と交換しながら、豚ふんの一次発酵時の臭気を112日間にわたってリングブロワーで送風して曝気を行い、脱臭を図った。脱臭槽には約25.3?の活性汚泥液を投入し、豚ふんの一次発酵時の臭気中のアンモニア濃度を堆肥舎、脱臭後、排気口上1mの3ヵ所で測定を行った。【結果】@ アンモニアについては平均で96.6%の高い除去率が得られたが、交換を行った週は除去率が若干低下する傾向がみられた。A 活性汚泥液では臭気中のアンモニアに起因するNH4-N、NOx-Nなどが増加したが、交換をしない場合と比較しNOx-Nの増加速度が低下した。B pHは豚尿汚水との交換によって4.5〜8.5範囲内に維持されたが、ECはあまり影響を受けなかった。C BODは交換によって増加するが、交換後すみやかに減少する傾向を見せた。【考察】以上の結果より、@ 活性汚泥曝気方式脱臭において、活性汚泥液を豚尿汚水で定期的に一部交換することにより、活性汚泥液の窒素の蓄積、特にNOx-Nの蓄積を抑制でき、活性汚泥液の利用期間の長期化ができることが示唆された。A 交換した後に排出される活性汚泥液については、液比処理もしくは浄化処理が考えられるが、液比利用の場合は窒素がほとんどNH4-NかNOx-Nの形態となっており、BODが低下しているので、有機物含量が少なく、窒素の肥効性が高い液肥として利用できると考えられる。B 仮に母豚100頭規模一貫経営で1週間に1回切り返しを行い、堆肥化1週目のみの臭気を脱臭すると仮定した場合、100?前後のばっ気槽を想定すると4週間に1回曝気槽容量の約1/10(9.25?)の活性汚泥液が新たに排出されることになる。窒素だけを高濃度に含む排水の処理は難しいため、基本的には液肥利用が望ましと考えられる。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


[ 文献リスト ] のページ に戻る