【表題】 キノコ廃菌床堆肥を利用した鶏ふん堆肥化および堆肥化時のアンモニア低減

【著者名】 坂井隆宏;細國一忠;脇谷裕一郎;石橋 明;岩永致悦
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2004
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 40
【頁】 64−68
【要約】 キノコ生産から排出された廃菌床を堆肥化したキノコ廃菌床堆肥(KHT)を堆肥化時の副資材として鶏ふんの堆肥化を行い、アンモニア発生量の低減および堆肥化副資材としての利用を検討した。なお、今回は堆肥化初期の臭気発生状況を重点的に見るため、長期間の堆肥化は行わなかった。【材料および方法】[試験区分]試験区として次の三試験区を設定した。・対照区:鶏ふん(水分77.7%、窒素6.82%)2.8kgにオガクズ(水分21.2%)1.4kgを混合 ・1/2区:鶏ふん2.8kgにKHT 1.4kg(鶏ふん量の1/2)を混合 ・等量区:鶏ふん2.8kgにKHT 2.8kg(鶏ふんと等量)を混合 [供試材料]鶏ふんは当場採卵鶏舎バーンクリーナーより採取した。KHTは水分29.8%のものを乾燥させてから供試した(水分20.8%、窒素1.8%)。[堆肥化方法]鶏ふんとKHTおよびオガクズの混合物をそれぞれ小型堆肥化実験装置(かぐやひめ)に充填し、室温で800mL/分で通気して14日間堆肥化を行った。7日目に切り返しを行った。【結果および考察】@ 堆肥温度は対照区がすみやかに上昇したが、2〜7日目では1/2区と等量区の方が上昇し、高温を維持した。積算温度は対照区が最も小さくなった。A 堆肥化1週目の堆肥温度の立ち上がりは対照区が早く、堆肥化開始から約24時間後には最高温度に達した。1/2区と等量区は50℃前後まで上昇した後一旦低下し、その後60℃前後まで上昇した後にほぼ50℃以上を維持し続けた。この二つの温度ピークは好気性の中温菌と高温金との交代に起因し、対照区でも温度の停滞として現れた。オガクズ混合の場合は中温菌と高温菌の交代が比較的すみやかに起こるのに対し、KHT混合の場合は比較的ゆるやかに交代が起こるものと推測された。B 排気のアンモニア濃度はKHTの混合量が多くなるほど低下する傾向が見られ、堆肥化1週目では対照区が他の2試験区よりもはるかに高濃度に発生した。アンモニアの総揮発量は対照区が最も多くなった。C 堆肥のpHは対照区よりも1/2区と等量区が低く推移し、1/2区と等量区の値にほとんど差はなかった。アンモニアは酸性条件下では揮発しにくいため、このpHの低下がKHTを混合した区のアンモニア揮散量が低下した原因だと考えられる。D 堆肥の肥料成分はKHTの成分が反映し、KHTの混合量が多いほど高い肥料成分の含有量を示した。E 以上の結果からKHTを鶏ふん堆肥化時の副資材として用いることによって堆肥温度に悪影響を与えることなくアンモニア揮散が低減され、肥料成分に富んだ鶏糞堆肥を生産できることが示唆された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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