【表題】 市販堆肥化促進剤を活用した乳牛ふんの堆肥化

【著者名】 坂井隆宏;脇谷裕一郎;岩永致悦
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2004
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 40
【頁】 74−80
【要約】 本試験は、市販堆肥化促進資材を活用することにより、安定した発酵を行い、良質な堆肥生産の可能性を検討することを目的とした。【材料および方法】[供試材料]供試材料として乳牛ふん、オガクズ、堆肥化促進資材A(以下、資材A)と堆肥化促進資材B(以下、資材B)を使用した。資材Bはセルロース分解菌とリグニン分解菌を含む微生物資材である。資材Aはリン酸、カリ、苦土を多く含み、資材Bは窒素、リン酸、カリを多く含んでいた。[試験区分]「資材A区」乳牛ふん4.5kg、オガクズ1.5kg、資材A 9g(ふんの0.2%)、「資材B区」乳牛ふん4.5kg、オガクズ1.5kg、資材B 90g(ふんの2%)、「対照区」乳牛ふん4.5kg、オガクズ1.5kg[堆肥化方法]それぞれの試験区分の混合物を小型堆肥化装置(かぐやひめ)で通気しながら56日間の室温堆肥化を行った。通気量は前半4週間は600mL/分、後半4週間は400mL/分とした。試験開始から0,1,2,4,6週目に装置から堆肥を取り出して切り返しを行った。【結果および考察】@ 資材Aは温度上昇を長く持続させる効果を持っており、資材Bは堆肥化の初期において短期間に著しく温度を上昇させる効果を持っていると考えられた。温度上昇効果という点において、資材A、Bの添加は良質堆肥の生産と利用に役立つと考えられる。A 資材A、Bの温度上昇効果によって堆肥の水分蒸発が促進され、資材A、B区において対照区よりも凝縮水が増加した。また、資材A、B区において対照区よりも有機物分解が盛んになった結果、アンモニアの発生も促進された。B 資材Bはセルロースの分解促進効果を持っていると考えられたが、明確な効果は得られなかった。本試験ではADLについては試験区間でほとんど差は見られなかったことから、少なくとも56日間の堆肥化期間では資材Bのリグニン分解効果は見られないと考えられた。また、ADFについては試験区でばらつきが大きく比較が難しいが、おおよそ28〜42日にかけてADF含量の低下が始まったため、この時期からセルロースの本格的な分解が始まったと考えられる。しかし、堆肥化終了後のADF含量には大きな差は見られず、56日間の堆肥化期間ではセルロースの大きな分解効果は見られないと考えられた。C 資材A、Bを利用して生産した堆肥は、それぞれの資材の元々の成分に影響され、堆肥中の肥料成分が増加した。D 発芽試験を行った結果、資材A、Bを利用した堆肥の両方とも対照堆肥とほぼ同等の発芽成績が得られ、資材A、Bを利用して生産された堆肥を作物に施用しても、作物に悪影響が出ることはないと考えられた。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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