【表題】 凝集剤を用いた乳牛パーラー洗浄水の浄化処理試験

【著者名】 脇谷裕一郎;西村 弘
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2000
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 36
【頁】 75−79
【要約】 酪農においても大規模化によるフリーストール飼養形態でのふん尿処理が課題となっている。凝集剤は、水中に懸濁する微粒子を付着し、フロック(集塊)つくらせ、沈降、ろ過によって分離除去するのを容易にする作用がある。本試験は、凝集剤を用いたパーラー洗浄水の浄化処理試験を行い、その浄化処理能力について調査を行った。【材料および方法】[供試材料]佐賀県畜産試験場乳牛舎より排出されるパーラー洗浄水[供試凝集剤]無機凝集剤:ポリ硫酸第二鉄、高分子凝集剤:中アニオン(陰イオン)系(AP120C)/高アニオン系(AP825)/カチオン(陽イオン)系(KA804E)[試験内容]20Lのパーラー洗浄水に対して、無機凝集剤と高分子凝集剤を添加後、撹拌し、1日静置後上清液を回収し分析に供した。[試験区分]試験1:高分子凝集剤1種類添加区を比較、試験1−A:無機凝集剤添加量を比較、試験2:高分子凝集剤2種類添加区を比較、試験2−A:無機凝集剤添加量を比較、試験2−B:高分子凝集剤の組合せを比較【結果および考察】@ 無機凝集剤間において、COD、TK-N、T-P、SS、色度は、0.025%以上の添加区では、高い除去が認められたが、0.020%以下では低い除去率となり、0.025%以上の添加量が必要であることが確認された。しかし、コスト面および環境面での負荷を考慮した場合、0.025%の添加量が一番適していると考えられる。A 高分子凝集剤間においての差は認められなかったが、高分子凝集剤を1種類単独で使用した場合より、2種類混合して使用した方が高い除去率が認められた。B @、Aより、今回の試験において乳牛パーラー洗浄水の浄化に最も効果的な凝集剤の組合せは、無機凝集剤0.025%に対して高分子凝集剤AP0120C+AP825 5ppmが最も効果的であり、放流基準をクリアすることが確認された。C 無機凝集剤0.025%+高分子凝集剤AP120C+AP825 5ppmの1日(1u)あたり(搾乳頭数22頭)の処理コストは29円、年間に換算しても10,585円と安価であり、コスト面では問題ないと考えられる。D 今後の問題点として、沈殿物の回収方法、および沈殿物中の重金属類濃度の測定および処理方法の検討があげられる。また、凝集剤を添加することでpH低下が認められているため、放流する際にはpH調整を行う必要がある。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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