【表題】 セラミックを坦体とした生物膜法と土壌濾過を組み合わせた汚水浄化処理試験

【著者名】 脇谷裕一郎;坂井隆宏;西村 弘
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2001
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 37
【頁】 62−70
【要約】 活性汚泥法より環境条件の変動に強く、維持管理が比較的容易である生物膜法の浄化能力の確認と生物膜法処理水の高次処理を目的とした土壌ろ過を組み合わせた浄化処理試験を行った。【材料および方法】[供試汚水]佐賀県畜産試験場養豚舎から排出される尿汚水を用いた。汚水投入量は8.6〜22.0?、BOD容積負荷は0.1〜2.5kg/?・日の範囲で行った。汚水成分値の平均含有比は、BOD:COD:T-N:T-P:SS=28:10:5:1:18となった。[実験処理施設]@ 本汚水浄化処理施設の特徴の一つとして、まず豚舎からの排水を第1貯留槽において固液分離機で分離し、次いで第1沈殿槽で沈殿分離することにより、ふん尿中の分離除去を行っていることがあげられる。A ふんの分離後、第1沈殿槽の上清液をばっ気槽に投入し、3槽から成るばっ気槽において生物膜法により処理を行った。生物膜を固定させる坦体として、耐久性に優れた市販のセラミックスを供試した。ばっ気槽においては、3台のブロア(2種類、200V7.5kW×3)による連続ばっ気処理を行った。B 生物処理後、第2沈殿槽を介して上澄み液をろ過槽へと移し、吸着処理を行った。次の3種の濾剤を供試し、その充填方法は、黒ボク土の流出を防ぐため、下層にゼオライトを充填し(1槽:1.7?)、上層に黒ボク土の目詰まりを防止する目的でイソライトを混合し充填した(1槽:5.0?)。C 第2沈殿槽においての沈殿汚泥については、汚泥量の動向を測定するため、搬出を行わず、エアーリフトを介して、第1貯留槽へ運搬した。[試験期間]1年間 【結果および考察】@ 各成分とも沈殿槽において約30%の高い除去率が得られた。沈殿槽を処理過程で用いることにより、ばっ気槽への負荷が軽減されることが確認されたが、一方では、沈殿汚泥の定期的な回収が必要となる。A生物膜法は、各成分に対し高い浄化濡力が確認されたが、水温の低下およびBOD容積負荷の上昇に伴って処理能力は低下した。特に、水温が15℃以下、BOD容量負荷0.5kg/?・日以上になると処理水の一部の濃度が高くなった。C しかし、高負荷、低水温条件にもかかわらず、BOD、SSの高い除去および窒素の硝化が確認され、D さらに、返送汚泥等の汚泥調整を行わなくても、安定した生物量が得られたことにより、セラミックスを用いた生物膜法が活性汚泥法より少ない維持管理で運転可能であり、活性汚泥法では必要な希釈を行わなくても安定した除去が得られ、E さらに土壌濾過と組み合わせることにより年間を通じた除去が可能になると示唆された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


[ 文献リスト ] のページ に戻る