【表題】 採卵鶏における悪臭低減に関する試験

【著者名】 細國一忠;石橋 明;岩永致悦
【所属】 佐賀県畜産試験場
【発行年】 2004
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 40
【頁】 87−93
【要約】 近年、魚粉価格の高騰や肉骨粉の使用禁止により、大豆粕等の植物性タンパク質原料の利用が増加したため、夏場だけでなく冬場にも軟便が発生し悪臭発生の原因となっている。軟便発生の機序として、植物性タンパク質原料中には植物細胞膜を構成するペクチン等非デンプン性多糖類が多く含まれているが、鶏にはほとんど消化されず腸内でゲル状になり水分や栄養素を多く含んだまま排泄されることが報告されている。そこで、植物細胞膜崩壊酵素を採卵鶏の飼料に添加することでその効果について検討した。また、鶏の銘柄により排ふん特性が異なることから県内主要飼養白玉鶏4銘柄を用いて試験を行った。【材料および方法】[供試鶏]4銘柄:マリア、デカルブ・ホワイト、エルベ、ジュリア 計512羽[試験期間]平成15年4月9日(281日齢)〜平成16年3月9日(616日齢)、1期4週間×12期とした。[試験区分]・対照区:市販成鶏用配合飼料(CP17.0%以上、ME2,800kcal/kg)のみ、32羽/区×4銘柄×2反復 ・0.2%区:対照区飼料用に植物細胞膜崩壊酵素(主成分:1g中ペクチナーゼ800単位、キシラナーゼ25単位)0.2%(採卵鶏におけるメーカー推奨添加率)添加、32羽/区×4銘柄×2反復 【結果および考察】@ 鶏糞の悪臭の主成分であるアンモニア発生量の低減効果と、鶏糞水分の減少による軟便防止効果は全銘柄で見られなかったが、排出量についてはデカルプ・ホワイトを除く3銘柄で植物細胞膜崩壊酵素を添加した0.2%区が対照区に比べて減少する一方で、飼料用の吸収量が増加する傾向がみられ飼料効率が向上し、ヘンデー産卵率が高くなる効果があった。A 即ち、植物細胞膜崩壊酵素によって飼料における未消化部分の消化吸収を促進したと思われ、それに伴い飼料の吸収量が対照区に比べて多くなり、ヘンデー産卵率が高くなった要因であると思われる。B 経済性は全項目で有意差は認められなかったものの、全銘柄で粗収入は酵素添加区が高い傾向が見られた。また、粗収入から飼料費と資材費を差し引いた粗収益についてはマリアを除く3銘柄で酵素添加区が対照区に比べて粗収益が高い傾向が見られた。C よって、エルベ、ジュリアの2銘柄については排泄量の低減、経済性の改善という添加効果が期待できる。D 今後は悪臭の低減、特に鶏ふんの悪臭の主成分であるアンモニアの発生量を低減する添加資材を更に検討する必要がある。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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