【表題】 汚水処理水を利用した土壌施肥技術の確立(第2報)−メタン消化液をを利用した土壌散布施肥試験−

【著者名】 脇谷裕一郎;田中宗浩;川岸岳志;坂井隆宏;式町秀明
【所属】 佐賀県畜産試験場;佐賀大学農学部
【発行年】 2005
【雑誌名】 佐賀県畜産試験場試験研究成績書
【巻】 41
【頁】 112−116
【要約】 メタン発酵消化液を使用したサラダナ、レタスの栽培試験を行い、消化液の土壌施肥栽培への適応性を検討した。【材料および方法】@ メタン発酵槽(約5u)では汚水処理浄化処理施設の第1沈殿槽で分離された沈殿汚泥を処理している。1日当りの汚泥処理量は50kg/日とし、沈殿汚泥を投入してからメタン発酵消化液に変換されるまでの滞留時間は約60日間とした。また、冬季においては極端な水温の低下に伴う菌の活性低下を防ぐため、ヒーターによる加温を行い、槽内の温度は21℃程度に保った。A 試験は、元肥として豚ふん堆肥を施用し、追肥として消化液を散布する消化液区、処理水を散布する処理水区の2試験区を設定した。B 豚ふん堆肥施肥量は、窒素を基準にサラダナとレタスの施肥基準の1/2とし、豚ふん堆肥が1.99%(原物%)の窒素を含んでいたため、肥効率も考慮し、バークと混合する堆肥はサラダナ794.0g、レタス1608.0gとなった。C 散布方法として、処理水区は第1報(本データベース11943)と同様の散水チューブを用いたが、消化液区は処理水に比べ固形分が多く散水チューブでの給液は散水孔が詰まる恐れがあるため、塩ビ管(外径20mm)に孔(直径3mm)をあけたものを使用した。D 供試作物はサラダナとレタスとし、両試験区に10株/列ずつ定植した。播種をサラダナは10月28日、レタスは10月29日に行い、共に11月22日まで育苗後、定植し、サラダは85日、レタスは116日栽培した。【結果および考察】@ 消化液は処理水に比べ各成分とも高い値を示した。その結果、総給液量は消化液区で少なくなり、消化液区でサラダナ:39.6L、レタス:49.5L、処理水区でサラダナ70.0.L、レタス:104.4Lとなった。A 栽培試験の結果、サラダナは含水率(消化液区<処理水区)、SPAD(消化液区>処理水区)で有意差(p>0.05)が見られたものの、新鮮重、乾物重、葉数、最大葉長では有意差は見られず(p>0.05)、消化液区、処理水区ともに良好な生育が見られた。レタスでは乾物重(消化液区>処理水区)、SPAD(消化液区>処理水区)で有意差(p>0.05)が見られたものの、新鮮重、含水率では有意差は見られず(p>0.05)、消化液区、処理水区ともに良好な生育がみられた。B 消化液にはアンモニア態窒素が含まれているため、培地中で硝化作用が確認され、硝酸態窒素に変換されたことにより、窒素の吸収が効率的に行われたためではないかと考えられる。C 以上の結果により、メタン発酵消化液は、土壌散布の際の肥料として利用が可能であることが確認された。
【要約者】 竹中洋一

[ 2013/12/26 掲載 ]


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